内容説明
教会の聖具室で血溜まりの中に横たわっていた二つの死体。殺されていたのは、浮浪者ハリーと元国務大臣のポール・ベロウン卿だった。一見何の関係もないような二人がなぜ同じ場所で死んでいたのか。そして、死の直前のポール卿の不可解な行動は事件にどうつながるのか? 繊細な感性と鋭敏な知性で難事件を解決してきたダルグリッシュ警視長がベロウン家の秘密を解き明かす。著者の代表作にして英国推理作家協会賞受賞作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
326
★★☆☆☆ ダルグリッシュシリーズ第7作目。 何故かシリーズ中で本作だけ新装丁で復刊した。 貴族と浮浪者の遺体が並んで発見された。そして貴族の方(バロウン卿)の周囲では過去に不吉な死亡事件が複数起こっていた。 魅惑的な謎と一癖ある登場人物と英国ミステリらしさ全開の作品だが、結構前の作品であることを差し引いても読みにくい。人物や風景の描写が詳細なのだが、詳細過ぎて遅々として物語が進まないのだ。 とにかく関係者が腹立つ奴らばかりで誰が犯人でもおかしくない。ここからどうなるのか楽しみではある。2026/03/29
くたくた
77
アダム・ダルグリッシュシリーズ、文庫新版。原作は1986年、まだ携帯電話はない。政界や上流階級の取扱いに注意を要する重大事件の専門チームを結成したばかりのダルグリッシュ警視長が陣頭指揮をとって、閣僚級政治家の不審死を追う。上巻はまだまだ風呂敷が広くなるばかり。章を追うごとに関係者が増え続け、秘密の多かった被害者(辞任した閣僚で、若手有望株の保守党議員)の私的生活はまだ謎に包まれたまま。ダルグリッシュの捜査にあたる態度は冷徹にも見えるが、彼の過去や成熟した人間味や温情や心情がちらりと表現されてくすぐられる。2022/03/05
雪月花
54
1か月かかってようやく読了。先にダルグリッシュシリーズのドラマを見てしまったので、犯人が誰かわかりながらの読書となったが、ドラマでは端折られている部分が多く、やはり小説の方が情景描写が詳細で断然面白い。国務大臣と浮浪者の教会内での惨殺死体の謎。そして過去の二人の女性の殺人事件も絡まって、誰もが容疑者に見えてくる展開はフーダニットの典型だが、逆に混乱を極めて捜査は行き詰まる。ドラマでもケイトが良い味を出していたが、小説でもケイトが冴えている。訳も読みやすい。下巻へ続く。2023/01/20
まふ
40
ロンドンの聖マシューズ教会の聖具室で浮浪者ハリーと下院議員ベロウン卿が惨殺体で発見された。他殺と見てダルグリッシュ警視長指揮下の捜査陣が捜査を開始する。ベロウン家の長老レディ・アーシュラ、妻のバーバラ、その愛人ランバート医師、バーバラの兄スウェイン、娘サラ等に順次聴取するが家政婦、看護婦の死とも絡んでいるようだ、というところで上巻は終わる。それぞれのアリバイのエピソードが丁寧に語られ、作者の蘊蓄なども入って、さっさと進めてほしいという苛々感が生じるが、下巻への「溜め?」と諦めて我慢する。2022/09/22
本木英朗
24
英国の女流本格ミステリ作家のひとりである、P・D・ジェイムスの長編のひとつである。教会の聖具室で血溜まりの中に横たわっていた二つの死体。殺されたのは、浮浪者ハリーと元国務大臣のポール・ベロウン卿だった――という話から始まる。うーん、まったく分からず仕舞いだよねえ、うん。ダルグリッシュ警視長がどうやって真犯人を捕まえるのか、とにかく下巻に進むしかないって! ではでは、また。2022/06/05
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