内容説明
〈憲法がはっきりと認めていることがらについて,憲法がはっきりと認めている方法でしか,権力者は政治を行うことができない〉という「立憲主義」の解説から始まる,日本国憲法の定評ある入門書の最新版.憲法改正への声の高まる今,人権保障,権力の民主化,平和主義など世界に誇れる現憲法の考え方を深く学ぼう.
目次
読者のみなさんへ 第4版のはしがき┴I 現代社会と立憲主義┴1 現代のリバイアサン┴政治とわたしたちの生活┴2 立憲主義のあゆみ┴1 立憲主義とは┴権力の濫用を阻止するために┴2 憲法が保障するもの┴基本的人権とは/近代市民憲法の人権保障/現代市民憲法の人権保障/国民主権の原理/権力分立/平和主義/現在と軍拡┴3 よりよき立憲主義のために 第I章のまとめ┴人類の歴史的歩みの特色/近代市民憲法の登場/二つの現代憲法の登場/「大競争」のあっけない終わり/憲法の歴史における「第三の転換期」┴II 日本の立憲主義のはじまり 大日本帝国憲法(明治憲法)┴1 明治憲法の誕生┴憲法が必要になった/準備段階/草案から公布へ┴2 明治憲法はどんな特色をもっていたか┴近代的な要素/前近代的な要素┴3 明治憲法はどのように運用されたか┴超然内閣の強行/政党内閣の誕生/強権政治へ/悲惨な民衆の生活┴III 日本国憲法の制定┴1 日本国憲法の誕生┴ポツダム宣言の発表/遅れた受諾/国民の生命を犠牲にして/戦争責任のとり方/「憲法を改正する必要はない」/マッカーサーの指示/松本案と総司令部案/「憲法改正草案要綱」/総司令部が急いだ理由/政府の本心/一般国民の対応┴2 日本国憲法の制定はどのような意義をもっているか┴反省のうえに/人類の歴史的努力の成果/未完の市民革命┴IV 日本国憲法のしくみ┴1 戦争の放棄┴1 なぜ人権保障の前か┴近現代の市民憲法における軍隊と戦争の位置/伝統的な軍隊・戦争観の破綻/明治憲法下の戦争経験┴2 あらゆる戦争の放棄とあらゆる戦力の不保持┴平和主義の宣言/第九条第一項の解釈/第九条第二項の解釈/第九条の求める日本の安全保障┴3 第九条で日本はやっていけるか┴再軍備論の問題点┴2 基本的人権の尊重┴基本的人権とは┴1 自由権とはなにか┴身体の自由/精神の自由/経済活動の自由/その他の自由/包括的自由権の保障┴2 社会権とはなにか┴(1)生存権/(2)教育を受ける権利/(3)勤労の権利と勤労基準の法定/(4)労働三権┴3 受益権とはなにか┴(1)請願権/(2)国や地方公共団体に対する損害賠償の請求権/(3)裁判を受ける権利/(4)刑事補償請求権┴4 参政権とはなにか┴(1)公務員の選定罷免権/(2)普通選挙の保障/(3)投票の秘密と投票について責任を問われないことの保障/(4)参政権にかんするその他の保障┴5 平等権(法の下の平等)┴6 基本的人権の限界┴内在的制約論/憲法による特別の制限┴7 刑罰による基本的人権の制限┴被疑者・被告人の場合/有罪で刑を受けると/適法手続主義/逮捕と抑留・拘禁/捜索・押収/拷問と残虐な刑罰の禁止/被告人の権利/自白についての保障/第三九条の保障┴8 国民の義務┴(1)保護する子女に普通教育を受けさせる義務/(2)勤労の義務/(3)納税の義務┴9 現代社会と基本的人権┴(1)外国人の人権/(2)国民と国民の間における人権保障/(3)新しい人権┴3 国民主権と議会制民主主義┴国民主権の政治/国民の役割/議会制民主主義の条件┴4 権力の分立┴1 国会┴明治憲法下では/国会の組織と権限/国会の活動/国会議員の特権┴2 内閣┴明治憲法下では/内閣の組織と権限/議院内閣制/内閣政治┴3 裁判所┴明治憲法下では/司法権の独立のために/裁判所の組織/違憲審査制度┴5 地方自治の保障┴明治憲法下では/地方自治はなぜ必要か/地方自治の本旨/地方自治のしくみ┴6 象徴天皇制について┴V 日本国憲法はどのように運用されてきたか┴二頭だての馬車┴1 解釈改憲の政治┴世界で有数の軍隊へ/駐留米軍/合理性を欠く第九条の運用/基本的人権の過度の制限/ゆがんだ選挙制度/信頼を失う議会/瀕死の地方自治┴2 明文改憲を求める政治┴新たな動き┴3 「二頭だての馬車」の要因┴VI 日本国憲法を国民の手に 主権者・国民の出番┴参考文献┴日本国憲法
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