GENBUN MAGAZINE Vol.010

個数:1
  • 電子書籍
  • Reader

GENBUN MAGAZINE Vol.010

  • 著者名:小林源文【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • SBクリエイティブ(2018/09発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797399349

ファイル: /

内容説明

※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

※本書に掲載の各種情報、募集案内、連絡先などは紙版刊行当時のものです。ご注意ください。

■「マインカンプII」より

前作vol.009 マインカンプの続きです…。

ここから川崎ので中学生時代の話が始まりますが、月島での一番大事な「貸し本屋」の話を書くのを忘れていました。
この月島にいた二年間が、一番愉しい少年の時期だったと思います。

「貸し本屋」さんとの出会いはこの月島で始まります。
当時の雑誌は割と高いものでした。少年サンデーがチキンラーメンと同じ値段だったと書きましたが、チキンラーメンも高い商品だったんですね。両方とも当時はたぶん「三十円」でした。

「貸し本屋」さんは商業誌では月刊誌のマンガや文芸誌や小説、それに多数の貸本用のマンガ単行本が書棚にいっぱいあふれていました。つまり、この当時は本はちょっと高めの娯楽だったのです。

貸本屋さんも沢山ありました。
神保町の古本屋さんの雰囲気がありました。

そこに身分証明の代わりに米穀通帳か保険証を持っていき、小さいカードを発行してもらいます。図書館で本を借りるようなものです(米穀通帳とは戦時中から続いていた名残で、コメの配給制度でできた通帳で各家庭に一冊はありました。その後、昭和四十年代にコメの自由化で米穀通帳は消えていきます)。