内容説明
大使館の開設と独裁者の暗殺により世界大戦を回避したオリオン集団は、人類に軌道エレベーターの技術を提示する――シリーズ完結
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
108
本シリーズは林譲治版『幼年期の終り』と明らかになる。オリオン太郎がカレルレンで秋津や武園がストルムグレン、各国政府や権力者をウェインライトやジャンとすれば理解できる。優れた知識や科学力を与え、戦争をなくして人類の平和的発展を促すまではクラークと同じだが根本的な使命と動機が違っていた。オリオン太郎はオーバーロードではなく、自分の属する集団の利益のため人類の飼育に勤しんでいたに過ぎない。なので鮎川や古田による反抗は一応成功し、地球は滅亡を免れた。しかし昭和315年に至って、それが正しかったのか問いかけるのだ。2022/02/27
鐵太郎
26
1感から4巻の半ばまでかけて、オリオン集団が異質であり人類の常識では理解できない事をえんえんと説明し、この巻では一気にオリオン集団に取り込まれた人類の何百年を描写しています。昭和という年号の意味を作家は理解しているのか疑問なのだけど、昭和315年の未来でフィナーレを迎える歴史が、不死となった何人かのキャラを中心に語られます。しかしこれ、壮大というより、軽すぎる。4巻前半までをシンプルにきちっと説明し、5巻後半をもっと長く重厚に描けたのではないか。これがこの作家の描写力の限界だとすると、残念の極みでした。2022/05/02
tom
23
最終巻に至ってようやく、地球外知性体が遠路はるばるやってきて、地球人に科学を教えようとした理由が明らかになる。あちらさんは病気という概念がない生命体、地球人はがんばっても100年。これじゃあ意識の持ち方、考え方、ぜんぜん違ってくる。当然のことながら意思疎通には決定的な難点があって、それを見極めた地球人の逆転劇につながる。ようやく対等の関係になり、宇宙で起きていた事態への対応も・・・。4巻まではほとんど徒労の読書という感じがあったのだけど、少しばかりの満足感を持つことができて終了。2023/04/08
宇宙猫
23
★★★★ 舞台が宇宙に移って、加速度的に時間が経過する種明かし編のようで、なんとなく物足りない。きれいに纏まってるし、内容はよかったんだけど前振りが長かったかな。D2022/11/17
Tadashi_N
19
パラレルワールドSFの王道に入った。昭和は続く。スネークマンの影響を感じる。桑原茂一。2023/05/02
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