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内容説明
近代日本経済の礎はいかにして築かれ、発展していったか。渋沢栄一、岩崎弥之助、住友吉左衛門、団琢磨、池田成彬、鮎川義介など、明治維新から太平洋戦争終結までに活躍した、日本実業界の巨頭10人の活動を通して描く。巻頭の1章「概観 日本財界小史」は、卓抜な近代日本経済史ともなっている。財閥研究で知られる経営史研究者が、広範な読者に向けてものしたリーダブルな一冊。登場する財界人の自伝・伝記一覧など、関連資料を付す。
目次
はじめに
概観 日本財界小史
「財界」の定義とその変遷 本書でいう「財界」 日清戦争と財界 富豪への論功行賞 日露戦争と財界勢力の躍進 日本工業 楽部の創立 日本の国際的地位向上と経済連盟の結成 財界の確立と財閥体制の背景 全国的雇主団体の形成とその後の財界 本書の構成
1 渋沢栄一=初期日本資本主義の指導者
指導者型企業家・渋沢栄一 第一国立銀行と渋沢栄一の関係 銀行経営者・銀行指導者としての渋沢 産業企業の経営と育成 渋沢の政商・財閥育成 財界オピニオン・リーダーとしての渋沢
2 岩崎弥之助=明治期三菱の支配者
「政商」としての三菱 三代つづいた三菱系日銀総裁 威張りぬいた川田日銀総裁 日銀大総裁としての岩崎弥之助 岩崎弥之助と政界・政治家 政界黒幕としての岩崎弥之助 三菱と日清・日露両戦争
3 中上川彦次郎=明治期三井の改革者
「政商」としての三井 中上川彦次郎の出自と経歴 三井資本の工業化 三井事業体制の整備 中上川による改革の意義 専門経営者時代の先駆
4 住友吉左衛門=明治・大正期住友の象徴的君主
「政商」としての住友 広瀬宰平と伊庭貞剛 住友十五代家長 権門と豪富の結合 住友吉左衛門の社会的活動 友純時代の住友の発展 西園寺公望と住友
5 団 磨=財閥支配確立期の総資本代表
団 磨と、その六年の米国留学 団 磨、三井に買取られる 総帥として三井の黄金時代を築く 総資本代表としての団の活動 満州事変への団の対応 日中全面戦争化を憂慮した団 財閥の財界制覇と政・財界の連 三井と政友会
6 池田成彬=戦時下軍部との宥和と抗争
銀行家としての池田の権勢 池田、「三井の総帥」を継ぐ 「軍財抱合い」で政界上層へ 財政家・政治家としての池田 対英米戦争に反対 東条英機との抗争
7 小倉正恒=戦時下住友財閥の指導者
住友における立憲番頭政治 歴代の法学士・官僚出身総理事 住友マンとしての小倉正恒 総理事としての小倉正恒 軍需素材財閥の確立 新事業分野への進出 海軍秘密工場の新設 小倉正恒の政界入り 住友の伝統精神と戦争協力
8 岩崎小弥太=戦時下三菱財閥を陣頭指揮
岩崎小弥太の三菱支配とその背景 岩崎家の財力と本社株の公開 岩崎小弥太の幕僚たち 小弥太による「財閥」形成 巨大化した三菱財閥 岩崎小弥太、戦時下の「所期奉公」 三菱財閥の戦争協力
9 鮎川義介=対ソ戦基地満州への進出
「新興財閥」の雄・鮎川義介 日産コンツェルンの形成過程 多角経営の定着 日産の満州移駐 満州重工業開発の軍事的意義 満州重工業開発の失敗 鮎川義介の残したもの 日米戦争への鮎川の態度
10 中島知久平=軍用機製造で戦争に貢献
「航空機戦策」に賭けた生涯 飛行機王への道程 中島飛行機への国家資本の投入 中島飛行機の急激な膨脹 戦争への中島知久平の貢献 中島知久平の見果てぬ夢
文献紹介──財界人物列伝と登載人物の伝記類
文庫版解説 戦前財界を彩った企業人たち 武田晴人
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