内容説明
人々の怨みや邪念が集まり生じた邪悪な存在、闇神(くらがみ)は、巫女の生気を吸って“流れ神”を斬ることができるふた振りの刀、天恵と天佑を人界にもたらした。天恵は北条政子の弟時房の手にわたり、天佑は頼家に近い御家人高坂景秀が遠谷(おちだに)を襲って手に入れた。折しも幕府では、源頼朝が亡きあと二代将軍頼家と北条氏との確執が露わになっていた。遠谷から奪われた天佑を追って鎌倉にのぼった真人(まひと)は、天恵を振るう時房に出会い、その屋敷に滞在したことから、北条氏と将軍頼家との争いに巻き込まれていく……。人と精霊と神の関わりを描く時代ファンタジイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
44
ライトノベルだったが、日本の「神」についての捉え方など日本人の宗教の原点に触れるような話だった。荒御魂と和御魂。二つの関係性や、土地神はなぜ生まれるのか。それらをモチーフにした話の中に、人間の業と欲が絡んでくる。鎌倉、将軍頼家の時代だが、修禅寺物語とはまた異なった頼家が出てくる。鎌倉時代でこれだけ神々と万物の精霊が出てくる物語が描けるのだから、平安時代なら百鬼夜行も当然だろうなと「陰陽師」なども連想したが、鎌倉時代だからこその新鮮味あり。2022/01/23
宇宙猫
20
★★ 上巻の終りがいちばん盛り上がって下巻は後始末の退治編。戦いがメインで、神とは何かも明かしたりもしてるけど物足りなかった。2022/06/12
Norico
5
金位の流れ神、朧月さまが素敵。2022/10/27
ヌーン
4
美しい話だった BもLも私はあんまり感じなかった 2022/05/05
まさ公
3
朧月様に生きているうちに会えるといいね。面白かったです。2023/04/14