内容説明
精霊の恵み豊かな地、遠谷(おちだに)。そこは“流れ神”がこの世にあらわれる地でもあった。遠谷に生まれ、薬の行商で各地をまわる真人(まひと)は、祭りのために帰郷した。だが、祭りを目前にしたその日、村を正体不明の武士の集団が襲った。彼らは村人を殺し、神域を穢し、神社から御神刀を奪っていった。それだけでなく、真人の大切な友、颯(はやて)も彼らに連れていかれてしまったらしい。友を救うべく、真人は刀に引き寄せられてきた流れ神と一緒に、武士たちが向かったとおぼしき鎌倉を目指す。二代将軍頼家の時代の鎌倉を舞台にした、華麗なファンタジイ絵巻登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
69
鎌倉時代を舞台にしたファンタジー。遠谷という隠れ里に住む人々は精霊や物の怪を見ることができる。遠谷でとれた薬草の行商人、真人と鎌倉に定住し薬を商う颯。それぞれ特別な力を持つ幼馴染の2人が、互いを思いやるゆえに窮地に立たされていくのは悲しかった。他所者の親を持ち、排他的な村では爪弾きにされやすかった2人は特別な絆で結ばれていたけれど、性格や考え方は全く違ったんだなぁ。2人を隔てた誤解が解け、これからどうなるのか?という所で上巻はおしまい。続きが気になります。2022/06/24
yamatoshiuruhashi
46
源頼家の時代。異世界のもの、神々を見、そして意思疎通ができる人たちがあい助け合い、或いは戦う物語。荒魂、和魂などの神社でもある程度聞き慣れた世界と想像が出会う。時代設定が鎌倉時代であるため、現在の感覚との調整をしなくて済む分、自由に想像羽ばたく作品になっている。まあ楽し。2022/01/21
宇宙猫
20
★★★ 精霊や神と交流する能力を持つ真人が、連れ去られた友を追って鎌倉へ行き闇神を擁する者達と対立する。 精霊や神様とのやり取りが中世風のラノベっぽい。北条、源氏を出すことで人の欲望を強調しているのかもしれないけど、時代をぼんやりさせた方が 超常的なものが際立って良かったんじゃないかな。2022/05/31
Norico
9
玉妖綺譚が面白かったのでこちらも読んでみました。精霊が見えて神様の荒御魂も使える真人。謎の集団に襲われた村と流れ神を切れる刀。親友の颯はどうなる?2022/10/27
ひとしろっく
7
二代将軍頼家の時代に鎌倉で繰り広げられるファンタジー。精霊の力を借りられる主人公、真人は奪われた剣と親友を取り戻す旅に出る。大河ドラマとはまた違った雰囲気が味わえる。これはアニメで観たい。しかし、時房のイメージはいい意味で違い過ぎた。2022/12/27