ハーパーコリンズ・ジャパン<br> トロナお別れ事務所

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ハーパーコリンズ・ジャパン
トロナお別れ事務所

  • ISBN:9784596018342

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内容説明

そこは、人びとの「別れ」を代行する奇妙な会社だった。
厄介な恋人、価値観の合わない家族、やめられない習慣……あなたがお別れしたいものは、何ですか?
文学賞受賞作家が贈る、韓国発の話題作!

イ・カウル、30歳。これまでまともな仕事に就けないまま非正規雇用を転々とし、気付けば人生崖っぷちだ。そんなとき、<トロナお別れ事務所>という会社の面接が決まる。意気揚々と面接へ向かったカウルがたどり着いたのは、オシャレな街の路地裏にある古びた雑居ビルだった。アクの強い社長に振り回されながらも、なんとか成果を上げようと、さまざまな別れの依頼に奔走するカウルだったが、ある出来事をきっかけに、心の奥底に閉じ込めていた本来の自分と向き合うことに……。世の中に押し流され、自分を見失ってしまった人へエールを送る話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キンモクセイ

55
どんな別れでも代行してくれるトロナお別れ事務所。非正規雇用を転々としていたカウルがようやく就職できたのは別れを代行する会社だった。トロナのトロは元通りという意味でナは私や自分のこと。〝本来の私〟という意味。世の中にはたくさんの人がいて別れも様々だ。カウルも職を失わないように必死になるが、取り返しがつかない出来事が待ち受けているとは思っていなかった。代行の別れはある意味、人の人生に大きく関わる事だと気づく。やがて別れを代行してカウルも今までの自分と別れを決意する。本来の自分を取り戻すためでもあったのかも。2022/02/13

星落秋風五丈原

21
映画「サッド・ムービー」で別れさせ屋が出てきたが本作はこれを代行する会社の社員の話。主人公のキャラは結構好みだったが社長がいかにもなおっさんキャラだった。2022/01/04

Naoko Takemoto

9
以前、系列会社の中途採用で入社した人が、突然こんな『お別れ会社』を通して退職した。こんなことがあるのかと周辺は呆気。トロナお別れ会社は小さな会社で、利益のためなら何でもアリだけど、別れたいというエゴに対するビジネスが存在できることがなんだか恐ろしい。相手を傷つけることだってあるのに。軽い読み口で描かれているので深刻さは薄らぎがちだが、人生に避けて通れない『別れ』の本質をじんわり考えさせられた一冊だった。2022/02/06

ぱせり

6
どんな相手ともあとくされない別れを代行してくれるトロナお別れ事務所。お別れをコーディネイトするマネージャーは人の別れに立ち会い、別れる人や別れを告げられる人の痛みに寄り添い悩みながら、実は、自分の「別れ」と向き合っていたのかもしれない。一番大きな顧客は自分自身だったのかもしれないね。2022/01/06

じょじょ

5
やっと読めた。なかなかヘビーな仕事。日本でも別れさせ屋や退職代行や謝罪代行など なんでもお金を払えば他人にやってもらえると思ってる人が多い。お互い納得の上だとしても やはり他人のしたくない事をお金の為とは言え代わりにやる気にはなれないし 責任が重い。2022/12/28

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