内容説明
「霊が見える兄」こと損料屋の又十郎は、困っている霊をほっとけない。そして「聞こえる妹」天音の能力が決め手に。温かい時代小説!
損料屋(レンタルショップ)の巴屋に紙問屋の藤屋から注文が入り、葬儀などに使う善と器を貸し出すことになった。巴屋の跡取り息子・又十郎が届けることになるが、案の定、成仏していないと思われる幽霊がいた。又十郎は霊を見ることができ、物に宿った声が聞こえる妹・天音と二人で「見える兄と聞こえる妹」として、江戸では少し有名なのだ。そして藤屋の幽霊。主人の儀兵衛に尋ねると亡くなったばかりの女将の霊だとわかる。又十郎は成仏させてあげたいと提案するが、儀兵衛は次の女将になるはずの嫁のことが気がかりだったのだろうと言って、そのままにしてほしいと断る。幽霊がいると伝えたことを又十郎は反省をする。だがその後、嫁姑問題に絡む思わぬ真相が……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽろん
37
又十郎に守るべき家族が又、増えた。又、少し頼もしくなったかな。佐太郎も天音もこの家族に守られて、本当に良かった。又十郎にも早くいい人見つかります様に。2022/02/05
葵@晴読雨読
28
損料屋シリーズの3作め。 面白かった〜!佐太郎かわいい。 今回も天音ちゃんと又十郎頑張った。藤屋の問題解決して良かった〜。 天音ちゃんの成長も感じる1冊。 4冊めも楽しみです。2021/12/22
み
16
さくさくと♪三作目は温かさいっぱいでした。ジャケのイメージがしっくりこないのは、あたしだけだろか^ ^2022/12/25
小梅さん。
14
又十郎くん、がんばってるね。 幽霊が怖くても頑張る姿が健気。 天音への溺愛ぶりも微笑ましいし。 あいかわらずデレデレで、天音に恋人ができたりしたらどうなることやらw 天音も、優しいいい子だね。 弟ができて喜ぶ姿の微笑ましさときたら。 さたろうくんの一件、母親のことは切ないけど、それをのぞけば、ものすごくいい形に決着がついたと思う。 夫婦、嫁姑、親子。 2021/12/18
tomtom
12
亡くなった人が恨みがあって幽霊になってるんではなくて、伝えたい想いがあって残っているところがいい。キツく当たっていたお姑さんとか2人が居なかったら嫌な人のままで終わってしまったと思う。天音に婿を取ってあんちゃんを雇ってあげると話していたところとか、みんなが天音のことが大好きなのが伝わってくる。ちゃたろうが可愛らしくて、この先もお昼は預かっているのなら出てきそうで嬉しい。2022/04/12