内容説明
心は昭和なお嬢様作家、事件をおっとり解決。
東京は世田谷区、固定資産税がバカ高いお屋敷町に住む森野楓子さんは、アラフィフシングルお嬢様。亡き親から引き継いだ大豪邸と広大な庭を維持するため、おっとり善人(だけどちょっと変わり者)の楓子さんが選んだ職業は、夢あふれる絵本作家――だったハズなのだが、あれよあれよと人気が出てしまったのは、SFバイオレンス・アクション・エログロ・ハードボイルド作品。そこで何年も前から「大河ショー和」という男っぽいペンネームで執筆し、表向きには、イケメン若手担当編集の吉井くんを影武者に立てているのだった。
さて、蒸し暑いある日のこと。普段はあまり執筆活動に積極的でない楓子さんは、俄然、新刊執筆に燃えていた。というのも、高額の固定資産税にプラスして、あちこちガタがきたお屋敷の修繕費用を捻出する必要にかられたからだ。ところが、エアコン故障に雨漏りと、家の崩壊は止める手だてがなく、執筆にも支障をきたすように。慌てた翔岳館編集者たちは、楓子さんを「素敵なホテル」に缶詰にしようと画策するが、そこでも事件が!?
令和の世に生きながら、心はいまだ昭和と共にある。キュートでやさしいおばさん探偵の活躍、第3弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
涼
64
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-486577.html 実は外交官のお嬢さまだった「おばさん探偵」。缶詰にされた原稿書きホテルは、昔よく訪れたところでした。2022/02/08
真理そら
62
作者の『一教授はみえるんです 』にミス・メープルが登場したのでこのシリーズも読んでみた。コージーミステリーにはまってた頃を思い出して懐かしかった。一等地の大邸宅を維持することは大変なんだなあ、と思いながらも猫たちの幸せのためにも頑張ってほしいと願いつつ読了。2023/04/01
ぶんこ
41
花屋のイケメンに助けられた楓子さん。なんとロマンス詐欺だった。そして地元商店街のくじに当たって韓国へ豪華客船の旅へ。そこでのスミレ学園同級生との懐かしい邂逅。楓子さんの豪邸が雨漏り、エアコンも使えず、亜蘭さんのセッティングしたホテルが侘しすぎてコウちゃんに泣きながらSOS。楓子さんかわいい。コウちゃんがセッティングしたホテル「薔薇窓ホテル」は、幼い頃からの思い出のホテル。そこでの重鎮作家白岩さんとの出会い。Mさんと白岩さんの結婚。白岩さんからの原稿に「私たちの愛する娘に捧ぐ」とあり、思わずウルウル。2022/04/14
うまる
37
シリーズ3冊目。今回はミスメープルしてたし、せつない真相もあったので、今までで一番面白かったです。特に表題作は缶詰にされる所から可笑しい展開でした。このゆるさで3冊も続くとは思わなかったけど、段々脇キャラも固まってきて良い感じ。元お嬢様同級生の個性が凄いのが見どころです。職業も色々だし、頼もしい方ばかり。そのうち学生時代の探偵物語もやってくれないかな。2022/01/20
ぶんぶん
24
【図書館】おばさん探偵の第3弾! 段々、キャラクターが落ち着いて来た。 性格の二面性とか行動力とかはっきり判りやすくなってきた。 三十八歳としての悲しみとかお嬢様としての図々しさとか、女性の悲しみを出せるようになった。 話はドタバタ・コメディだから必要は無いのだが、これが主人公に厚みを持たせる。 令和と昭和の端境期に生きるミス・メープル、もっと伸びやかに、もっとしなやかに、令和を生きて欲しい。 あまり、馬鹿馬鹿しくならない事を祈っています。2022/07/06
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