内容説明
夢みるハードボイルド作家・楓子は名探偵!
東京・世田谷区の一等地に建つレトロな洋館には、ひとりの魔女が住んでいる……。近所の小学生たちの間でそんなウワサをたてられてしまうこの屋敷の住人の名は、森野楓子。おっとり天然でやや世間知らずの中年女性である彼女の正体は、実は――本人的には大変不本意ながら、タイガーショーこと「大河ショー和」というペンネームの売れっ子覆面ハードボイルド作家だ。作風と著者本人のキャラクターがあまりにかけ離れているので、そのオフィシャルイメージを守る苦肉の策として、パーティへの出席の際などは、担当編集の吉井くんを影武者に仕立てたりしつつ、楓子さん自身は、いつか元の絵本作家業に戻ることを夢見ているのだが……。
映画祭の会場で女優が倒れたのはなぜか? 「第一話 グレイのシャネルが謎を解く」、漫画家の仕事場で発生したトラブルの真相は……「危険な航海」、楓子さんの過去が少しだけわかる「若き日のミス・メープル」、そして巻末短編のお楽しみ「ミス・メープルの十二か月」の四編を収録した、コミカル・コージー・ミステリー。
令和に生きながらも心は永遠に昭和とともにある、超マイペースな《おばさん名探偵》、ここに誕生!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うまる
41
心は永遠の昭和のおばさん探偵登場! まず、ビジュアルありきの探偵役・助手役のミステリで溢れる中、おばさんを主役にした話を書いた事を称賛したいです。 好奇心旺盛な所はマープルっぽい。ゆるめの話だけど、元々はお嬢様である事と、おばさんになって図々しく立ち回れるようになった事の両方が活かされていて、なかなか面白かったです。逆シークレットブーツの案は笑ってしまいました。続編もそのうち読もう。 2021/07/27
ひさか
38
2021年3月キャラブン!小学館文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。グレイのシャネルが謎を解く、危険な航海、若き日のミス・メープル、ミス・メープルの十二か月、の4つの連作短編。タイトルを見てアガサな和風マープルものかと思いましたが、まったく違っていて、TV版のそれいけスマートかハニーにおまかせのようなノリのスーパーリッチおばさん覆面作家探偵な楓子さんとイケメン担当編集者の吉井くんの何コレ?ずっこけるほどのハチャメチャコメディタッチストーリーでした。それでも少しの謎解きはあったので、探偵譚ではありました。2021/10/09
いぼいのしし
28
楓子さんだからミス・メープル。。。ミス・マープルとは全然違った。2022/04/27
Kira
26
図書館本。初読みの作家さん。読友さんのレビューを拝見して気になったので読んでみた。軽く楽しめるミステリ調の話で面白かった。主人公楓子の謎解きに、ミス・マープルに通じるものを感じてなるほどと納得した。楓だからミス・メープルというのも、なるほどと腑に落ちた。余話で語られるミス・メープルの四季を大切にした丁寧な暮らし方には、学ぶべきものが多かった。2023/03/19
rosetta
20
★★✩✩✩粗筋とタイトルに惹かれて手に取ったら表紙も上出来。期待して読み始めたら思っていたのとは随分違っていた。お屋敷に住むお嬢様が覆面作家という設定は北村薫センセイの本にもあったけど、内容は雲泥の差。これ以上は語るに足りず。。2021/07/23
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