内容説明
『古事記』『土佐日記』『源氏物語』『徒然草』『古今和歌集』……。かの有名な日本文学の古典には、学校では教えてくれない「秘密」があった。それはエロティシズムだ。おなじみリンボウ先生が誰もが知る有名な作品の数々から色事溢れる場面を抽出し、面白おかしく解釈を披露。つまらなかった古典がこんなに艶っぽいものとは!「目からウロコ」のリンボウ流「特別課外講義」。(『本当はとてもえっちな古典文学』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoriction@感想は気まぐれに
16
私の受けていた授業は「文学のカス」だったのか…。この国の古典教育は「日本文学のエッセンスともいうべき」「エロティシズム」「エッチさかげん」が除かれ、当たり障りのない部分だけを教える。それが古文の退屈さを招いている。「文学のカス」を教えているようなものだ、とリンボウ先生。仰る通り!高校時代に本書のようなリンボウ授業を受けていたら、もっと古典への興味や間口が広がったはず。『古事記』から『源氏物語』という王道もさることながら、江戸時代の章に釘付け。古典はエッチでわかりやすいリンボウ解説から入ったら楽しみ千倍だ。2013/08/29
たくのみ
12
古典文学の本来秘めていた「エロティシズム」を、そこのところだけ抽出。江戸以前の日本人はこんなにも開放的だったとは。この先生に古文を教わったら、きっと古典好きになっていたと思う。嵐山光三郎さんが「解説」で、リンボウ先生は「節約は引き算ではなく、足し算」という「知的香具師」である、というのも面白い。2015/02/22
hrn
4
古典文学にだって下ネタはある。ここの部分が面白いのにそこを避けて学校教科書に掲載されている(ま、しょうがないけど)。下ネタを明るく楽しく、古典に興味をわかせるようなリンボーの講義を、是非高校生の時に受けたかったと思った。2010/06/15
shinsei1229
3
古今の文学作品における色事の豊富さを紹介したエッセイ。後ろめたさ、陰湿さの微塵もない開放的なエロスが印象的。しかし、『とりかへばや物語』の背徳感にゾクゾクした。2010/09/10
おいちゃん
2
読み終わるのが惜しかった。 知性を感じさせる文章でエッチな説明をするのだからたまらない。知的だから下品にならない。知性とエロスは表裏一体だ。 エロチシズムは日本文学の根幹であり、それをまるごと削いでしまっている古典の教科書は『文学のカス』だという。 痛快である。冒頭からキレッキレ。好きだわー。 著者近影がこれまた素敵(ご本人に実況中継されながらいたされたい)。 まことに淫靡な本でした。阿阿。2021/12/17