ちくま新書<br> 文学部の逆襲 ──人文知が紡ぎ出す人類の「大きな物語」

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ちくま新書
文学部の逆襲 ──人文知が紡ぎ出す人類の「大きな物語」

  • 著者名:波頭亮【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2021/10発売)
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  • ISBN:9784480074317

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内容説明

近代社会を形作ってきた資本主義と民主主義は、もはや我々に豊かさも希望も与えてくれない。これらを刷新し、AIが拓く新しい時代を迎えようとする今、社会はどのように構築され、人はどのように幸せな人生を生きるのか。その答えとなる「大きな物語」こそが、世の中を新しい時代に向けて動かし始める。今こそ、哲学や美学、歴史や芸術といった人文の知性が時代を進める、栄えある役割を担う時である。文学部の逆襲を待望する。

目次

まえがき
第Ⅰ章 資本主義の暴走
1 資本主義の経緯
① 資本主義の誕生と貢献
② 新自由主義への転換
③ 新自由主義のロジック
2 新自由主義の現実
① アメリカ:規制緩和の行き着く先
モラルハザードと不正事件 格差と貧困
② 日本:二つの格差
消費税の意味と影響 企業と国民の格差 富裕層と貧困層の格差
③ ヨーロッパ:EU成立とオルタナティブ
国家間の格差 北欧のオルタナティブ
3 新自由主義への警鐘
第Ⅱ章 民主主義の機能不全
1 民主主義の成立と発展
① 民主主義の二つの基本理念
② 近代民主主義の誕生
③ 社会保障による民主主義の発展
再分配
社会保障の必然性
④ 資本主義と社会主義
ミルとマルクス
2 民主主義の勝利と衰退
① 自由と平等の相克
緊張感あるバランス
② 資本主義と民主主義の幸せな関係
ケインズによる資本主義の修正:公共の役割
③ 新自由主義への転換
④ 民主主義の機能不全
3 資本による政治の買収
① 資本による政治への投資:政治献金とロビーイング
投資のリターン 民主主義的決定権の消失
② メディアの買収による情報のコントロール
6大ネットワークの支配 SNSの支配 世界的に進む資本による情報支配
4 可塑性の喪失……修復が効かない
第Ⅲ章 AIによる歴史
1 技術革新とパラダイムシフト
① 農耕の発達
② 文字の発明
③ 産業革命
2 AIがもたらすインパクト
① AIの凄さの意味
グーグルの猫とアルファ碁
② 産業革命に匹敵するインパクト
無限大の生産性の向上 豊かさの意味が変わる
3 仕事の代替と失業問題
① AIの活用と仕事の代替
製造業もサービス業も 49%の職種、労働人口の14%
② 摩擦的失業と構造的失業
産業革命がもたらした摩擦的失業 AI革命がもたらす構造的失業 人間ならではの仕事
4 新たな歴史のステージ
① 「疎外」の構造問題
② 新たな歴史のステージへ
再分配が十分条件
第Ⅳ章 文学部の逆襲
1 物語の力
① 物語による認知
② 物語による組織化
③ 物語の普遍性
2 物語のインパクト
① 社会を動かす物語
パパは何でも知っている ベルリンの壁 フラワーチルドレン グレタ・トゥーンベリ
② 歴史を導く物語
中世から近代へ 中世に幕を降ろした物語 歴史を進めるテクノロジーと物語
3 大きな物語
① ポストモダンの混迷
② 現代の歴史的意味
4 現代の大きな物語
① 労働からの解放
② エウダイモニア
③ ホモ・ルーデンス
④ 文化と交流
⑤ 人類は新しいステージへ
5 文学部の逆襲
① 文学部の使命
② 文学部の逆襲
参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

111
序論かなと思っていたものが、本論だった。タイトルが不的確ではないだろうか。作者自身が文学というものをどう捉えているのだろう?。経済学者が、政府や企業の理系重視に疑問を抱き、文学部の皆さんたち頼みますよ、と最後に丸投げした感がある。2023/03/17

けんとまん1007

51
人文知は、人間が持つ本来の知であると思う。ますます、世界が沈鬱な空気が濃くなり、分断とエゴが蔓延る今、まさに立ち返るべき視点。そこに危険性を嗅ぎ取るから、人文系を蔑ろにしようとしている輩の多いことか。本当に、次の世代のことを考えると、このままではいけない。2023/01/17

チャーリブ

43
タイトルに惹かれて手に取りましたが、個人的にはあまり得るところのない本でした。てっきり「文学部の逆襲」がテーマと思って読み始めたのですが、資本主義の暴走から始まって、新自由主義の弊害、民主主義の衰退、AIの衝撃ときて、最後は「大きな物語」の必要性に触れておしまいです。「大きな物語」の必要性を説くならば、まずは著者がその「大きな物語」を(たとえその一端であろうとも)語るべきでしょう。あまり辛辣なことは書きたくありませんが、せめてタイトルは別にしてほしかったですね。2023/04/23

おおにし

24
文学部が果たす役割が提示されないまま終わってしまった。「大きな物語を描き出す本拠地」と文学部を位置づける理由がまったく書かれていないので、これでは『文学部の逆襲』にはならないのではないか。私も人文系学部の縮小・廃止という文科省方針は撤廃すべきだと思うが、この内容では読者の賛同は得にくいだろう。2022/03/29

こも 旧柏バカ一代

20
波頭亮さんの最新刊。前の著作を順番に読んで言ったら何となく何を伝えたいのかわかる。また読んでみよう。2022/05/06

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