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内容説明
本書は、東京都内のJR、私鉄、地下鉄の駅名を取り上げ、その由来や地域に関わる事件、物語を文献・史料に基づき丹念に拾い集めている。駅名一つ一つは、まさに、地域の歴史を映す鏡である。江戸時代以前は「亀無」という地名だった「亀有」。幕府御用の警備隊が、駅名として残った「御徒町」。ビールの名が駅名となった「恵比寿」。明治・大正期の文人、徳冨蘆花にちなんだ「芦花公園」。明治天皇行幸の地であった「聖蹟桜ヶ丘」。さらに、戦後まもなく、渋谷駅にはロープウェイが走っていた話……。日ごろ通い慣れた駅の意外な歴史が見えてくる。執筆にあたっては、俗説と歴史的事実を区別するため、できる限り出典や史料を明記している。今日、「平成の大合併」政策のもと、地図から消える地名が多くなった。しかし、地名を消すことは歴史を消すことなのだ。安易な市町村名改名を支持できない、と著者は説く。江戸東京400年を振り返る、ユニークな地名考の本である。
目次
序章 東京における鉄道のあゆみ<br/>第1章 山手線の駅名(東京(千代田区)<br/>新橋(港区) ほか)<br/>第2章 都心部の駅名(山手線内および周辺)(銀座(中央区)<br/>日本橋(中央区) ほか)<br/>第3章 東郊の駅名(二三区)(浅草(台東区)<br/>蔵前(台東区) ほか)<br/>第4章 西郊の駅名(二三区)(神泉(渋谷区)<br/>駒場東大前(目黒区) ほか)<br/>第5章 多摩の駅名(国分寺(国分寺市)<br/>谷保(国立市) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわん
23
2003年1月の本。国立の「谷保」は初めて知った。東京に居住していた11年間、もっと出歩くべきだったと悔やむ。寺社や旧跡を飽きることなく巡りたい。駅名、地名、深いものがある。まっ、今は東京に行けないので、近隣を巡るという手もある。2022/10/13
あらあらら
9
で、東京とはどこなの?地名の由来プラスアルファのうんちく満載2015/02/05
金吾
7
駅の由来等がよくわかります。豆知識と言えるものが多く、楽しみながら読めました。2020/05/05
uchi
2
東京の歴史が勉強になりました。2019/06/09
hiroto nagatsuma
1
都内の駅名の由来について、史実を紐解いて解説した本。地名の由来に関して正しい知識は身につくが、短い文章の中に史的エビデンスを詰め込みすぎて、ものすごく読み進めづらい(クレジットカードの約款もしくは六法全書並み)。20名の著者が校了まで毎週会議しながら執筆編集した気合の入りようだが、それゆえ趣味の読み物としては重すぎる内容。その割に、例えば葛西の地名由来は詳細に解説できても、現在の金町駅~青砥駅周辺でなく葛西駅周辺が葛西と呼ばれるようになった経緯の検証できていないなど、イマイチ知的好奇心が満たせない。2020/03/01