内容説明
小石川養生所を食い物にされてなるものか!
浅草諏訪町の診療所に二人の訪問客があった。伊達家の奥医師の嫡子だった独庵こと壬生玄宗の妻・お菊がいつもの握り飯と焼いた鱚を持ってやってきた。
とうに四十の坂を越えた総髪の大男は、一見こわもてだが、酒は不調法、女人にはついつい腰が引けてしまう質らしい。これといった訳などないが、息子とともに仙台藩下屋敷に住む二度目の妻が、どうにも煙たい。
診療所を切り盛りするすずの「お客様です」の声を渡りに船と、お菊を置いて待合室に出向くと、岡崎良庵という小石川養生所の医師が控えていた。手に余る患者を診てもらいたいという。
代診の弟子・市蔵と養生所に出向いた独庵だが、売れっ子の戯作者だという患者の診立てが皆目つかない。しかし、独庵の気掛かりはそれだけではなかった。
ごみ溜めのような養生所の有り様、看病中間の荒んだ振る舞い、そして独庵の腕を試すような良庵の言動……。小石川養生所にはなにかある! 独庵はさっそく、探索役の絵師・久米吉を呼び、病と称して養生所に入れ、と命ずる。
患者のためなら看取りも辞さない、馬庭念流の遣い手・独庵が、一刀のもとに悪を両断する痛快書き下ろし時代小説第2弾。
感想・レビュー
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いつでも母さん
135
看取り医というよりは・・剣の腕で病の因なる根源を断つような・・感じがするなぁ。何となく辻褄を合わすような?次はどうしましょう・・2021/11/19
好奇心
1
看取り医とは臨終に立ち会ってもらう医者、死者の遺言のようなもの、役人でないが、悪事を働く犯人を見つけ次第、斬殺してしまう、なんとも表現のしようがないある意味、痛快 勧善懲悪の時代劇のヒーロー、実在してい入る町の名、寺の名とう頭の中で想像しながら楽しんでいる、絵師宗順の章が興味あぅた、世直し医者 藤田まこと主人公の時代劇ドラマを思い出す2022/01/04