内容説明
生きるも死ぬも、江戸市井の人々とともに!
頃は江戸中期。浅草諏訪町で開業する独庵こと壬生玄宗は京と長崎で漢方と西洋医学を修めた、仙台藩の奥医師の息子だ。とうに四十の坂を越えた総髪の大男は、一見こわもてだが、酒は不調法、女人にはついつい腰が引けてしまう質らしい。どうにも煙たい二度目の妻は、元服近い息子とともに仙台藩下屋敷に住んでいる。医術の腕は天下一品、時の老中の病を治したことで評判が江戸市中に広まり、診療所を切り盛りする女中のすず、代診の弟子・市蔵ともども休む間もない。だが、門前市をなす理由はそれだけではなかった。医者の本分はもとより病を治すこと、では、治らぬ病はどうする。独庵が悩んだ末にたどり着いた結論は、患者に希望を与えることだった。人らしい生き方、死に方を望まれれば、看取りも辞さない。そんな独庵に妙な往診依頼があった。知人の材木問屋の主・徳右衛門が、なにかに憑りつかれたように、薪割りを始めたという。独庵の手となり足となって事情を探る絵師・久米吉に調べさせたところ、思いもよらぬ仇討ち話が浮かんできて……。江戸の人々の心に暖かな灯をともす看取り医にして馬庭念流の遣い手・独庵が、一刀のもとに悪を両断する痛快書き下ろし時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
137
ん・・ん、設定は面白そうだが今一つの感。惜しい。でも始まったばかり、もう少し読んでみようか。2021/10/26
とく だま
7
ちょっと物足りなさを覚えるかな?!次へ進めってことで・・2024/03/15
如月小町
2
初読みの作家さん。つまらなくはないけど、物語の進行が雑で違和感だらけだ。都合よく相手に貸しを作るようなことばかりだし、命の大切さを説くわりに、与力が罪のない人を殺しても病死と診断したり。正義感があるんだかないんだかわからなくなる。続編が出ても読まないと思う。2021/07/29
ももこ
1
可もなく不可もなく。人物描写が弱くてあまり感情が動かされなかった。2023/08/20
みっちゃん
1
初読みの作家さん。浅草諏訪帖で開業する医師の話。腕は良いが、時には助けるためとはいえ弱みに付け込んでお金を出させたり、人を殺してしまったりするのはいかがなものか。やはり、医者というものは義をもって生きて欲しいなと思った。この作者が、医学博士だというのもの興味ぶかい。2023/02/02
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