内容説明
つながりは人びとが生きてゆく上で必要不可欠なものであり、その欠損は人びとの生命をも脅かす。本書は、官庁統計、質問紙調査、聞き取り調査によって得られたさまざまなデータを駆使して、日本社会の人間関係および孤立の実態に迫っている。そこから抽出されたのは、家族、格差、ジェンダー、地域といった日本社会に潜む構造的問題であった。
目次
はじめに
第I部 日本社会の人間関係
第一章 「無縁社会」が見せたもの、見せなかったもの
1 流行現象としての「無縁社会」
2 「無縁社会」の背後に潜む二つの言説
3 「無縁社会」の諸問題
第二章 日本社会における中間集団の変容
1 人間関係にまつわる二つの言説
2 「解放」される人間関係と「剥奪」される人間関係
3 日本社会の人間関係
4 日本社会の人間関係と連帯のゆくえ
第II部 孤立に潜む諸問題
第三章 誰にも頼れない人たち
1 第II部の指針
2 社会における孤立の問題
3 JGSS二〇〇三の概要
4 孤立者の背景
5 日本社会の孤立問題
第四章 家族に頼れないのはどのような人たちか
1 家族にかんする問題
2 家族サポート研究の枠組み
3 本章で用いる変数
4 基本的事実の確認──分析一
5 配偶者、両親、子どもに頼らない/頼れない人びと──分析二
6 サポート源としての家族とそれに付随する諸問題
第五章 なぜ男性が孤立しやすいのか
1 孤立と性別の問題
2 男性の優位性と女性の優位性
3 データと変数
4 男性と女性のネットワーク構造
5 孤立に潜むジェンダー問題
第六章 地方山村の人間関係と孤立
1 地方社会の孤立
2 地方の力が問われる時代
3 地方生活における諸問題──先行研究の検討
4 山間部調査の概要
5 山村社会の生活と孤立
6 連帯再生の試み──結びに変えて
終 章 これからの連帯のゆくえ
1 孤立の回避と連帯のゆくえ
2 孤立する社会を支えるセーフティネットの構築
3 家族のつながりのゆくえ
4 新たな連帯の構築
5 第三の道の模索
あとがき──やや正直に語る
参考文献
初出一覧
感想・レビュー
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どんぐり
きいち
ステビア
sk
ぽん教授(非実在系)