出版社内容情報
東条内閣退陣から特攻隊、硫黄島玉砕、沖縄戦を経て終戦まで古今の戦記の精髄を収録。体験者が語る日本人の遺産。解説・秦郁彦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
1
全4巻の読後感は、無辜の人々をこのような地獄に追いやったのは日本人の歴史そのものであり、戦争を指導した軍人でも、政治家でもなかった。遅れて開化した資源小国の日本が身の程知らずの植民地経営を行った。瀬島氏の言うとおり、資源が無い者が資源のある者に勝てるはずが無いのである。日本はこれをやってしまった。その必然の結果が敗戦となった。もちろん損害を最小に押さえることはできたであろう。この点、戦争指導者たちの責任は重い。だが敗戦そのものは日本国の持っていた歴史的地理的民族的必然の結果であったと思う。2000/11/26
鈴木誠二
0
完本シリーズを読み終え、しみじみ思うのは参謀と兵士たちの見ている、見えている「戦争」がまるで違うのだ。負け戦だからだろうか? 日本的体制の特質なのか。何にせよ殆どが当事者たちの手記だからこその迫真性に満ちている。2013/10/01