内容説明
＊本書は、『法律時報』97巻3号（2025年3月号）の特集記事を収録しています（連載など、ほかのコンテンツは含まれておりません）。法や制度は「承継」にどのような形で関わり、影響を与えているのか。日常のすべてにかかわる「承継」の問題を対処するには、高齢化しつつある国民が自発的に時間と労力を費やしてもよいと思えるような産業や習俗である必要がある。社会的・経済的な基盤の喪失が進行するいま、農地、宅地、林業や漁業、墓地機能、文化財などの具体的なテーマのもとで、日本の法制度が承継をいかに促し、また疎外しているのかを考える・総論……松井智予（東京大学教授）・農家の農地承継を支える諸制度の展開……安藤光義（東京大学教授）・集合住宅の維持と承継――いわゆるマンションについて……尾崎一郎（北海道大学教授）・土地（宅地・所有者不明土地）の維持と承継――権利関係の明確化と管理命令制度……板垣勝彦（横浜国立大学教授）・沿岸漁業の維持と承継をめぐる課題……亀岡鉱平（大分大学准教授）・コミュニティを起点とした地域社会の再構築……市川文子（株式会社リ・パブリック共同代表）・墓地機能の維持と承継……片桐直人（大阪大学教授）・美術館における制度と運営課題……西田陽介（岡山大学教授）
