内容説明
解放の教育学はこの本から始まった ――
1979 年の刊行以来、増刷を重ねてきた教育関係者の必携書!!
初版発行から50年を経た今、大幅増補を加え50周年記念版として刊行。
教育の視点から「抑圧の文化」に対峙する視点を提示する。
世界中で読み継がれている教育思想と実践の書であり、
常に新しい読者を獲得してきた信頼の一冊。
初版刊行50周年を記念し、
チョムスキーなど世界の碩学がオマージュを寄せた決定版!!
自由の実践としての教育は、
支配のための実践である教育とは異なり、
抽象的で孤立し、世界とつながりをもたない
宙ぶらりんな人間を否定するし、
また人間不在の世界のありようも否定する。
(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ア
3
教育学の古典とのこと。確かに他の本で言及されたりしたのを見たことがある。前半では「銀行型教育」と「対話型教育」が対比されている。半世紀前の時点で、今で言う「生徒の対話的・主体的な学び」を提唱しているのはすごい。後半、特に第4章はほぼ社会革命について論じており、驚いた。実は非常に68年っぽい、マルクス主義的な本である。2020/04/22
Tatsuo Mizouchi
2
☆☆☆ 銀行型教育から問題解決型教育へ。被抑圧者を救う方法が抑圧者側に巻き込むことであれば、問題は何も解決せず、むしろ分断をひどくするだけ。2018/12/15
きゃわてぃ
1
抑圧者と被抑圧者の心理的な関係性は非常に複雑で矛盾に満ちたものであり、これは現地で研究を行ってきたフレイレ氏だからこそ確かめることのできたものであろう。 この状況を打破するために必要なのは、やはり「教育」だ。 それも単なる「銀行型教育」ではなく、教育者も学生も、共に学んで成長していくような「問題提議型教育」だ。 今の日本での教育は、大多数が「銀行型教育」であろう。真に「教育」が必要な場で培われてきた「問題提議型教育」は、どんな知識の詰め込みよりも勝る。日本でも積極的に普及していくことを期待するより他ない。2022/04/24
佐藤宏樹
1
50年前のものが原書だけど、現在の、日本の教育や政治をイメージしながら読むと理解が進みます。2021/09/11