内容説明
生態系の物質循環を取り扱う学問分野は「生物地球化学(biogeochemistry)」と呼ばれ、生物と環境(非生物)をめぐる物質の動きや変化、相互作用を明らかにすることで、生態系の仕組みや環境保全機能を理解することに寄与している。本書では森林の物質循環、すなわち生物地球化学プロセスについて取り扱う。
目次
第1章 序論(森林生態系における物質循環の概念フレームワーク
森林の物質循環を駆動する主な要因 ほか)
第2章 大気窒素沈着による森林生態系の窒素飽和現象―安定同位体を用いた研究アプローチ(窒素安定同位体の利用
酸素同位体の利用)
第3章 流域から河川へのリン流出機構(森林流域におけるリンの循環と河川流出の概要
森林流域におけるリンの循環と流出機構)
第4章 土壌窒素動態の空間変動(森林土嬢における窒素無機化過程
窒素無機化・硝化を取り巻く環境要因)
第5章 物質循環モデルと森林施業影響(本章の背景となる考え方
森林を対象としたさまざまなモデル ほか)