内容説明
成長したアーチーの娘・アイリーとサマードの双子の息子・ミラトとマジドは、遺伝子工学者のチャルフェン一家と関わり、生命倫理にふれる研究をめぐる問題の渦中へ……。
移民家族が直面する悲喜劇を知的でユーモラスに描く、ジャマイカ系イギリス人作家の衝撃作。カリブ海やインド亜大陸からヨーロッパにわたる壮大な家族の物語を背景に、歴史、信条、遺伝子などさまざまな差異を抱えて混沌の街ロンドンで生きる人々を描く。分断と混沌の深まる時代に希望の光を放つ、21世紀の必読書。全2巻
ブレイディみかこさん推薦!
「この本、いちおう社会派で、すでに古典と呼ばれているんです。
こんなにヤバくて笑えてぶっ飛んでるのに。
繚乱と咲く、移民たちのサーガ! ストリートの歴史はなんと猥雑でカオスなことか。
多文化共生の諸問題をごった煮にしておおらかに笑い飛ばす、才気煥発な本である。」
西加奈子さん推薦!
「これはすべての呪われた、そして祝福された人間の物語だ。
きっと100年後も、200年後も読み継がれるだろう。
人間がどうしようもなく、抗い難く、救い難く、人間でしかないことを、こんなに面白おかしく、鮮やかに、完璧に書かれた小説がこの世界に存在することに感謝したい。
20年前に誕生したこの傑作を、これから初めて読むことが出来る人に嫉妬する。そう思っていたけれど、何度目だって衝撃は変わらなかった。いや、増した。著者が描いたこの世界に、私たちは近づけているのだろうか。」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
28
年末年始からの体調不良もあって、気の進まない読書になってしまった。とにかくたくさん出てくるキャラの誰にも共感できず、嫌いになるどころか、興味すら持てず、図書館本なら絶対挫折していただろう。著者本人は才気煥発だと思っているフシのある表現(ぽんぽん飛び出してくる)に付き合うのに気が滅入り、しまいには本を開くことすら憂鬱になった。これほど絶賛され、売れている本なのだから、まあ自分の感性か、相性の問題かなとも思う。とにかく自分の考える小説の楽しさというものは、微塵も感じられなかったな。申し訳ないですけど。2025/01/26
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
26
ロンドンの二組の移民家族について。どちらも労働者階級でゴタゴタが絶えないが、努力でもなくチャランポランでもなく流されているわけでもなくゴタゴタと暮らして行く様が叙事詩のように書かれていて、生きているだけで丸儲けであると思った。実際、何かを成し遂げなくても人に揉まれて生き抜いて行くことは誇れることであり語るに足る偉業なのだ。若い作者とは思えない人物の描き方。次作も読みたい。2024/02/06
タイコウチ
6
実は原著で読もうと何度か読みかけていたものの、登場人物が多く、時代も行ったり来たり、スラングや訛りも満載で、四分の一ほどで中断していたのを、この文庫化を機に再挑戦。英語版と読み比べてみると、やはり翻訳がないと文化・宗教的な背景などなかなか理解できなかったと改めて翻訳者の腕前に感心する。この作品の発表当時よくジョン・アーヴィングの名前が引き合いに出されていたが、確かに映画的な語りの鮮やかさやあっと驚く伏線の回収、トラジコミカルな味わいはアーヴィングを思わせる。しかしこちらの方が複雑度とスピード感では上かな。2021/08/22
まこ
5
子ども世代はイギリス育ちだからジャマイカ系と言われても。親との対立や自身の揺らぎは若気の至りとして謎の団体へ。実験動物やイスラム原理主義は当時からある社会の問題。それを個人の問題と合体させたのは最終章であらゆる登場人物が一箇所に集まる様と重なる。正月から物語が始まり、大晦日で終わる。どちらもコインの賭けで運命を決めようとした。ここに繋がりも序盤読み返すとアッてなる。2024/07/28
バナナフィッシュ。
4
コミカルなタッチで読みやすく、宗教、思想、年代間の軋轢、人間の関係性を破綻することなく描き出している。あとがきと同じになってはいるけれど、僕自身もそう感じた。24歳にして円熟みさえある。2023/11/26
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