ちくま学芸文庫<br> 古事談 下

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ちくま学芸文庫
古事談 下

  • ISBN:9784480510525

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内容説明

代々の知識人たちが、歴史の副読本として活用してきた知る人ぞ知る隠れた名著。『古事談』は、人を中心とする第一王道后宮・第二臣節・第三僧行・第四勇士と、事物を軸にする第五神社仏寺・第六亭宅諸道から成り、他書に記載を見ない有名な話も数多く、さまざまな説話集の出典にもなっている。下巻は、第三僧行の後半からを収める。勇士源満仲の邸に押し入った盗賊の正体、焼き討ちされた園城寺の僧が聞く守護神の意外な言葉など、各話と編纂の妙を、当時の価値観を復元しながら読み解く。本書には学術的利用の便をはかった主要参考文献、理解を助ける解説、詳細な人名索引を付す。

目次

五二 性信親王の寿命の事
五三 性信親王、世間の病者を癒す事
五四 文範、余慶を謗り報を受くる事
五五 心誉、物の怪を渡す事
五六 心誉、頼通の病を療ずる事
五七 業遠、観修の加持にて蘇生の事
五八 源泉の説法に四天王出現の事
五九 深覚、宝蔵破壊の事
六〇 深覚、囲碁にて教通の病を療ずる事
六一 深覚、祈雨の事
六二 後三条天皇東宮の時、薬智を召す事
六三 永超、魚食の事
六四 永観、出挙の事、並びに東大寺拝堂の事
六五 永観、臨終の事
六六 了延房阿闍梨・実因、法談の事
六七 覚行親王、法親王の初めの事
六八 仁海、父の死後牛となるを夢みる事
六九 仁海の貌、空海に似る事
七〇 仁海、鳥を食ふ事
七一 成尊、仁海の真弟子たる事
七二 定海、祈雨の効験の事
七三 覚猷、臨終の処分の事
七四 増誉、相撲人遠方の腫物を療ずる事
七五 顕意、鳥羽法皇御前の番論義に神妙の事
七六 退凡下乗の卒都婆の銘の事
七七 房覚の僧伽の句の事
七八 観智、鬼道に堕つる事
七九 澄憲、祈雨の勧賞の事
八〇 澄憲、論義の故実を存ずる事
八一 智海、癩人と法談の事
八二 良宴、念仏を唱へず臨終の事
八三 勧修寺の八講の捧げ物の牛車の事
八四 忠快、北条時政の孫娘を加持する事
八五 丹後普甲寺の住僧、大般若経虚読の事
八六 五壇法の金剛夜叉の事
八七 寛忠、孔雀経法を修する事
八八 聖宝、初めて賀茂祭に大路を渡る事
八九 仁賀、堕落の噂の事
九〇 僧賀、中堂に千夜通夜の事
九一 性空、僧賀に紙を送る事
九二 空也、松尾明神に逢ふ事
九三 師氏、空也の引導にて極楽に生まるる事
九四 空也・和泉式部の和歌の事
九五 性空、生身の普賢を見る事
九六 性空、六根清浄を得る事
九七 叡桓、普賢に祈り病平癒の事
九八 寂照の前身の事
九九 舜見、鹿の体をなす事
一〇〇 通房、重勤の再誕たる事
一〇一 良忍、尾張局の志を知る事
一〇二 薬仁、吉田斎宮の臨終に参り会ふ事
一〇三 仙命、人の信施を受けざる事
一〇四 北山の奥の僧の事
一〇五 重源、入唐に教長の手跡を持参の事
一〇六 貞慶、誕生幼少の間の事
一〇七 大原の上人、河内の賤僧のもとに宿る事
一〇八 東国の修行僧、双六を打つ事
第四 勇士
一 源満仲宅の強盗の事
二 源満仲、発心出家の事
三 平貞盛、平将門の反乱を予言の事
四 平将門、藤原忠平に書状を献ずる事
五 浄蔵、平将門を調伏の事
六 藤原忠文、発遣の事
七 平将門、誅せらるる事
八 藤原忠文、勧賞の沙汰の事
九 藤原忠文、不眠の事
一〇 藤原純友、逆乱の事
一一 平維衡、出家の事
一二 源頼光、頼信を制止の事
一三 源斉頼、よく鷹を知る事
一四 藤原保昌、平致頼に逢ふ事
一五 源頼義、母に不孝の事
一六 源頼義、極楽往生の事
一七 源義家、源国房父子と確執の事
一八 八幡殿の名を聞き、犯人降伏の事
一九 白河院、源義家の弓を枕上に立つる事
二〇 源義家、山鳩の怪に慄く事
二一 源義家、堕地獄の事
二二 後藤内則明、白河院に合戦の物語の事
二三 源義親、追討の事
二四 藤原満兼、敵人に遭ふ事
二五 季春、藤原基衡に代り斬らるる事
二六 源義朝、平清盛の郎等に感ずる事
二七 安藤忠宗、敵に馳せ向かふ事
二八 由井七郎、斬らるる事
二九 覚朝、念仏絶命の事
第五 神社仏寺
一 伊勢神宮、焼亡の事
二 伊勢神宮、 倒の事
三 敦実親王、八幡御影造立の事
四 弘法大師図絵の八幡御影の事
五 筥崎宮、神詠の事
六 石清水放生会、行幸に准ふる事
七 石清水放生会の上卿、禁忌の事
八 経成、石清水八幡宮に祈り中納言に任ずる事
九 有仁、石清水八幡宮に往生を祈る事
一〇 宇佐八幡宮の霊鳩の事
一一 八幡別当検校成清の事
一二 山科藤尾寺の事
一三 賀茂明神、弥陀念仏を好む事
一四 範兼、賀茂明神の利生を蒙る事
一五 実重、賀茂明神の本地を知る事
一六 鴨季継、石清水八幡宮焼失を夢想の事
一七 住吉・日吉両神、大将軍となる事
一八 日吉の客人宮、霊験の事
一九 北野天神託宣の事
二〇 園・韓神社、託宣の事
二一 中山社、託宣の事
二二 頼長、近衛天皇呪詛の事
二三 白山の御厨池の事
二四 室生の竜穴の事
二五 聖徳太子御記文出現の事
二六 東大寺大仏鋳造の事
二七 長谷寺の観音造立の事
二八 永手、西大寺塔建立に諫言の事
二九 叡山中堂建立に蠣殻出現の事
三〇 叡山惣持院の舎利の事
三一 狂女叡山に登る事
三二 道長、高野山奥の院にて大師の示現を蒙る事
三三 清盛、高野山・厳島にて示現を蒙る事
三四 園城寺の鐘の事
三五 叡山衆徒、三井寺を焼く事
三六 良真、三井寺焼討の事
三七 新羅明神、園城寺守護の事
三八 関寺の霊牛の事
三九 清水寺焼亡の事
四〇 珍皇寺の鐘の事
四一 在衡、鞍馬にて託宣を蒙る事
四二 蔵人の母、鞍馬に祈る事
四三 清凉寺の釈迦像の事
四四 陽明門の額落つる夢の事
四五 道長、法螺を吹く事
四六 後朱雀天皇、丈六仏造立の事
四七 匡房、北向大門の例を挙ぐる事
四八 円宗寺の寺号を改むる事
四九 法勝寺五仏の座位並びに寺号の事
五〇 祭主親定、伊勢国に一堂建立の事
五一 伊勢国蓮台寺の事
五二 土佐国胤間寺の住僧、大般若経書写の事
五三 頼義、みのう堂建立の事
五四 西行、讃岐にて詠歌の事
第六 亭宅諸道
一 南殿の桜・橘の事
二 東三条殿の事
三 有国、東三条殿の上長押を打たざる事 有国、善男の後身たる事
四 兼家女、庚申の夜に頓死の事
五 頼通、高陽院を造る事
六 石田殿の事
七 花山院の事
八 花山院の厭物の事
九 平等院宝蔵の笛、水竜の事
一〇 朝成、雲和を吹く事
一一 助元の吹く笛を大蛇聞く事
一二 明暹、般若丸を賜る事
一三 明暹、放鷹楽を伝授する事
一四 吉備津宮、基政の演奏を所望の事
一五 六条大夫基通、永秀・正近らを語る事
一六 永真、万歳楽を逆に吹く事
一七 時光、大食調の入調伝授の事
一八 博雅の箏譜奥書の事
一九 孝博、覚法法親王の寵童に秘曲伝授の事
二〇 箏の伝授系図の事
二一 廉承武の霊、村上天皇に秘曲伝授の事
二二 貞敏入唐し、廉承武の聟となる事
二三 玄上撥面の絵の事
二四 師長、配所述懐の事
二五 宗俊・経信異説の事
二六 助忠、殺害の事
二七 堀河天皇、助忠より神楽の秘曲伝受の事
二八 賀茂臨時の御神楽に秘曲の沙汰の事
二九 石清水臨時祭の御神楽の事
三〇 忠実、青海波の秘事を光時に授くる事
三一 雅実の胡飲酒、堀河天皇を嘆ぜしむる事
三二 白楽天、遣唐使小野篁を待つ事
三三 在衡、格勤の事
三四 伊陟、菟裘賦を天皇に奉る事
三五 以言、詩により顕官に昇らざる事
三六 文時の弟子、一の座の事
三七 範国、雅康の時棟に文字を問ふを嘆ずる事
三八 有国、保胤を有々の主と呼ぶ事
三九 有国、保胤を揶揄する事
四〇 維時、前栽の花の名を書く事
四一 忠通、聯句を以て茂明を試る事
四二 敦周、忠通に聯句を以て応ずる事
四三 大江康貞、忠通の文殿に召さるる事
四四 長光・成光の連句に、父敦光感涙の事
四五 信西、子俊憲の序に涕泣の事
四六 信西、孫基明に祝言の事
四七 公任と具平親王、貫之・人麻呂を沙汰の事
四八 狛人の相人、醍醐天皇らを相する事
四九 珍材、備後の郡司女との子の事
五〇 伴別当、橘頼経の命運を相する事
五一 洞昭、俊賢を相する事
五二 洞昭、院源の弟子の短命を相する事
五三 洞昭、頼通を相する事
五四 匡房、清隆を相する事
五五 顕房、白河院を相する事
五六 顕房、信俊を相する事
五七 顕房、娘中宮賢子を相する事
五八 正家、相人たる事
五九 時望、雅信を相する事
六〇 一条殿全子、伊通・季通兄弟を相する事
六一 紀国守、医道を子孫に伝へざる事
六二 道長の犬、危難を告ぐる事
六三 施薬院領の明道図の事
六四 晴明、花山天皇の前生を知る事
六五 亀甲の御占の事
六六 随身武則・公助父子の事
六七 道長の競馬を実資見物の事
六八 兼時、馬を知る事
六九 忠通、賀茂祭に武正・兼行の振舞を見る事
七〇 武正、物言ひの事
七一 伊成・弘光、力競べの事
七二 定朝の子、覚助の事
七三 醍醐天皇、棋勢法師と囲碁の事
七四 伊尹、囲碁に負け和歌を詠ずる事
〔古事談逸文〕
(一)古事談抄一四 忠実、顕雅に感ずる事
(二)摂関補任次第別本 知足院殿勅勘の時の事
主要参考文献
解説
人名索引

感想・レビュー

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perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

3
上巻で書き忘れたけど、本書は鎌倉時代初頭に成立した説話集。要するにショート・ショート集。源顕兼が編集したが、想像以上に様々な文献史料を駆使して話を集めている。尤も孫引きも多いはず。 週刊誌の見出し風にしてみたのは「ふざけてんな!」かもだけど、実際アホな記述がかなりあって、いつの時代も人は有名人のゴシップを求めるのだと何度目かの認識をした次第。 下巻は第三「僧行」の第五十二から百八まで。第四「勇士」全二十九話、第五「神社仏寺」全五十四話、第六「亭宅諸道」全七十四話。他、逸文が二話。→続く2021/06/08

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