ちくま学芸文庫<br> 古事談 上

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ちくま学芸文庫
古事談 上

  • ISBN:9784480510518

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内容説明

鎌倉時代前期、源顕兼によって編まれた全460余話に及ぶ説話集の傑作。聖徳太子に弘法大師、藤原兼家に藤原道長、小野小町に清少納言、信西入道に西行法師、鳥羽僧正覚猷から仏師定朝など、古代以来の歴史、文学、文化史上の著名人を主とし、その人たちにまつわる隠れた逸話の一大集成。一般の古典文学や日本正史では取り上げられることのない話が数多く収録されている。本書は、ひらがな交じりに書き下した読みやすい本文に、的確な人物注と明快な現代語訳、評を初めて全話に施す。説話集というスタイルが、日本文学史上なぜ一世を風靡したのかが体験できる画期的訳注書。

目次

凡例
はじめに
第一 王道后宮
一 称徳天皇の御事
二 浦島子の事
三 清和天皇の即位を予言の童謡の事
四 陽成天皇、宝剣を抜く事
五 光孝天皇即位の事
六 光孝天皇、町人の物を借用の事
七 宇多法皇、融の霊に腰を抱かるる事
八 醍醐天皇、臨時奉幣の日、風を止むる事
九 坂上宝剣の事
一〇 延喜のころ、上達部の時服の事
一一 公忠蘇生の事
一二 朱雀天皇格言の事
一三 遷都以後内裏焼亡の事
一四 冷泉天皇の即位、紫宸殿にて行はるる事
一五 円融院、子の日の御幸の事
一六 円融院、大井川逍遥の事
一七 花山天皇即位の日の事
一八 花山天皇、殿上人の冠を取る事
一九 花山天皇、出家の事
二〇 花山天皇、発心の事
二一 花山天皇出家に天下騒動の事
二二 花山院、賀茂祭に闘乱の事
二三 一条天皇幼主の時、夏の公事の日の事
二四 兼家、実資に礼節の事
二五 道長、公庭に参る時、諸卿恐れ隠るる事
二六 為時、書を献じ越前守に任ずる事
二七 除目の執筆の怪異の事
二八 道綱放言の事
二九 清涼殿の酒宴に竹台の筍を焼く事
三〇 試楽の挿頭に呉竹の枝を用ゐる事
三一 雅信、大将を帯びず御剣に候する事
三二 成信・重家、出家の事
三三 道長、一条天皇の手習の反古を破る事
三四 一条天皇、寒夜に直衣を脱ぐ事
三五 三条天皇、秘事を資平に問ふ事
三六 道長、敦儀親王を罵る事
三七 上東門院の御産に有国頓智の事
三八 後一条天皇誕生後、諸人伊周に参らざる事
三九 実資、摂津国の闕を申す事
四〇 怪女、丹後国に漂着の事
四一 七月に雪降る事
四二 行成、斉信の失錯を扇に書く事
四三 伊成出家の事
四四 公基、御書を汚さるる事
四五 経輔打たるる事
四六 斉信、清暑堂の御神楽の拍子を取る事
四七 顕基出家の事
四八 教通、練歩殊勝の事
四九 神鏡焼失し、残欠を求め出す事
五〇 頼通、東宮の事を不受の事
五一 白鳥、侍従池に来る事
五二 教通、御遊に半臂を着する事
五三 怪鳥を射る賞に疋絹を与ふる事
五四 隆国、主上の装束に奉仕の事
五五 後三条天皇東宮の時、俊房に憤る事
五六 後三条天皇東宮の時、北斗御拝の事
五七 後三条天皇東宮の時、実政に餞別の事
五八 後三条天皇東宮の時、烏帽子を着する事
五九 後三条天皇の頭、応神天皇の玉冠に合ふ事
六〇 後三条天皇の即位に罪人改心の事
六一 後三条天皇、二間にて念誦の間の事
六二 後三条天皇、升を改むる事
六三 俊家、除目の執筆に奉仕の事
六四 後三条天皇、隆国の子息三人を召し仕ふ事
六五 後三条天皇、車の外金物を抜かしむる事
六六 後三条天皇、倹約の事
六七 後三条天皇、平等院領を検注せしむる事
六八 後三条天皇、犬を憎む事
六九 後三条天皇、鯖の頭を食する事
七〇 後三条院、御薬崩御の事
七一 頼通、後三条院崩御に嘆息の事
七二 白河天皇東宮の宮の時、参内の事
七三 白河天皇の御代の抄記
七四 白河院、雨を獄舎に入るる事
七五 顕季、義光の所領を避くる事
七六 雅実・忠実、白河院の御前にて盃酌の事
七七 成通、白河院の御前にて片膝を立つる事
七八 白河院、実季の引出物を召す事
七九 白河院、家保の家の琵琶に不受の色ある事
八〇 白河院、雅兼に感ずる事
八一 白河法皇、殺生禁断の事
八二 堀河天皇、野行幸の和歌序の事
八三 永長の大田楽の事
八四 殿上人の競馬の装束の事
八五 寛治の行幸、顕房述懐の事
八六 寛治八年の朝覲行幸の事
八七 顕房、俊忠を評する事
八八 信西、山門の三奇物を解く事
八九 家長報恩の事
九〇 俊房、烏帽子を信通に与ふる事
九一 忠通、拝礼の沙汰の事
九二 宗輔、蜂を飼ふ事
九三 鳥羽院、検非違使別当の六徳を示す事
九四 敦頼、馬部に装束を がるる事
九五 成通、陣座にて桜人を唱ふ事
九六 後白河天皇、受禅の事
九七 二条天皇の御時、郭公の怪の事
九八 平治の乱の時、師仲、神鏡安置の事
九九 白河院、自讃の事
第二 臣節
一 実行兄弟、忠平の檳榔毛の車を争ふ事
二 朝成、生霊となる事
三 兼通兄弟、摂関を争ふ事
四 東三条院石山御幸に道長・伊周不穏の事
五 道長、伊周の駿牛の由緒を聞き遁走の事
六 道長、遊女推参に赤面の事
七 道長、法成寺供養に感涙の事
八 教通、頼通にひざまづく事
九 頼通、経頼に長絹を贈る事
一〇 経頼、頼通の叱責により死する事
一一 能通、頼通邸の蔵人所に嘆息の事
一二 頼通父子と教通父子、摂関を争ふ事
一三 忠実、義親の首を見ざる事
一四 八幡別当清成、頼通邸にて飲食の事
一五 忠実、朔日精進を鳥羽院に勧むる事
一六 忠実、師実より鷹狩装束を伝授の事
一七 忠実、更衣の故実を師元に語る事
一八 忠実自讃の事
一九 忠実、北山抄・江次第を評する事
二〇 徳大寺大饗にて頼長の作法の事
二一 頼長の見つけし大袋より行通出る事
二二 頼長、蔵人頭朝隆を追ふ事
二三 忠通、あげまきの食し方を雅実より聞く事
二四 忠通揮毫の額、基衡より奪ひ返す事
二五 基房・兼実、賭弓装束の事
二六 高階氏は業平の子孫たる事
二七 業平、小野小町の髑髏と連歌の事
二八 有国抱負の事
二九 俊賢、蔵人頭に自薦の事
三〇 俊賢空寝の事
三一 俊賢、死穢を看破する事
三二 実方、陸奥に左遷の事
三三 行成、俊賢の恩を忘れざる事
三四 行成、冥府の召しを逃るる事
三五 済時、空拝の大将の名を得る事
三六 経信、北野社前にて下馬せざる事
三七 経信、宗通の任官を留むる事
三八 小野宮第の事
三九 実資、女事に堪へざる事
四〇 実資・教通、遊女香炉を愛する事
四一 小野宮殿死する時、諸人悲嘆の事
四二 顕頼、床子の座にて夜食の事
四三 雅定六箇の能の事
四四 但馬守隆方の死を秘する事
四五 肥前守景家の事
四六 非常赦の詔書の事
四七 播磨守経平、任国下向に反閉・逆鞍の事
四八 業房亀王吉夢の事
四九 伴善男吉夢の事
五〇 清和天皇の前世、伴善男を怨む僧たる事
五一 伊周配流の事
五二 郁芳門院根合の事
五三 中宮賢子、禁裏に薨ずる事
五四 待賢門院に白河院密通し崇徳天皇誕生の事
五五 零落したる清少納言、秀句の事
五六 大弐局、栴檀を論ずる事
五七 清少納言、開を出す事
五八 師輔、遺誡の事
五九 道隆愛酒の事
六〇 頼通、蔵人頭の席次を教ふる事
六一 頼通、関白を教通に譲る事
六二 隆国、小馬にて頼通邸参仕の事
六三 長季、頼通の若気たる事
六四 俊房、聟忠実を賞翫の事
六五 忠実、兼長を叱責の事
六六 忠実、師遠を賞する事
六七 師長、孝博を賞する事
六八 有国、泰山府君祭を修する事
六九 有国、道隆に官職を奪はるる事
七〇 俊賢、奝の字を忘るる事
七一 実方、奥州あこやの松を見んとする事
七二 実方、雀となる事
七三 実資、道長の邪気を退散せしむる事
七四 顕忠倹約の事
七五 実資、兼家の遠忌に参る事
七六 俊明、清衡の砂金を受けざる事
七七 頼宗、定頼により読経練磨の事
七八 仙人陽勝、定頼の誦経を聴聞の事
七九 保忠、落馬落冠の事
八〇 顕通・忠教、互ひに嘲る事
八一 伊通、不遇により檳榔毛の車を焼く事
八二 師頼、成通の揶揄に独言の事
八三 俊家、除目を師実に習ふ事
八四 家忠、衡の字を忘るる事
八五 雅定、顕定と墓所を並ぶる事
八六 文才なき人、卿相に昇る初めの事
八七 師頼、淳和院の鐘吉凶の事
八八 盛章、無毛の大鳥を掘り出す事
八九 小野皇太后歓子、落雷に無傷の事
九〇 中宮賢子、広寿上人の転生たる事
九一 清水寺の師僧、進命婦に恋慕の事
九二 惟成、旧妻の怨みにより乞食となる事
九三 信長、檳榔毛の車を焼く事
九四 頼光、息男の蔵人補任を辞退の事
九五 惟成清貧の事
九六 惟成の妻、内助の功の事
第三 僧行
一 金鐘行者、辛国行者と験徳を競ふ事
二 東大寺華厳会の事
三 東大寺開眼供養の事
四 行基、山崎の橋を造る事
五 行基、臨終の事
六 実忠、牛の語を知る事
七 早良太子の事
八 玄賓、渡し守となる事
九 道顕、渡し守を志す事
一〇 玄賓、伊賀国郡司を救ふ事
一一 守敏・空海、祈雨の事
一二 観賢、高野奥の院に参る事
一三 円仁、尺八を以て引声の事
一四 円珍の謚号僉議の事
一五 利仁、頓滅の事
一六 相応、染殿の后のために天狗を退くる事
一七 相応、清和天皇の歯痛を加持する事
一八 浄蔵、盗賊を呪縛の事
一九 浄蔵、飛鉢の事
二〇 良源、煎り大豆をはさむ事
二一 聖救、御廟の眷属たる事
二二 良源、優鉢羅竜王の所変たる事
二三 覚運、極楽より賜る蓮華の事
二四 源信・覚運、性空と問答の事
二五 源信、金峰山の歌占の事
二六 妙空、往生の業を源信に問ふ事
二七 源信、迎講を始むる事
二八 安養尼、地蔵講の事
二九 厳玄、源信の承仕法師を蘇生せしむる事
三〇 源信、遷化の期を慶祚に告ぐる事
三一 慶祚、暗夜に法華経を読む事
三二 安養尼、蘇生の事
三三 強盗、安養尼の房に入る事
三四 清範、文殊の化身たる事
三五 道命の読経、五条の道祖神聴聞の事
三六 平燈、門臥となる事
三七 教禅、礼盤にて終焉の事
三八 義昭・千観、同宿し互ひに夢見る事
三九 一条天皇、慶円・院源の加持にて蘇生の事
四〇 性信親王、教通の を加持する事
四一 性信親王、教通女の瘡を加持する事
四二 性信親王、信長の瘧を加持する事
四三 師成、仁和寺に宿侍して病平癒の事
四四 師忠室、性信親王の授戒にて病平癒の事
四五 顕綱、性信親王の施食の上分を受くる事
四六 頼家、性信親王の袈裟を拝領の事
四七 性信親王、伊綱女を蘇生せしむる事
四八 経範の腫物、性信親王の加持にて平癒の事
四九 延禅、性信親王の施食を請け瘧を退くる事
五〇 兼意、高野にて性信親王に逢ふ事
五一 兼意、高名の梵字書きの事

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

若黎

7
どこぞで読んだ話もあれば、初めて知る話もあり。王道后宮、臣節あたりは、わりと好きだな。角川ビギナーズクラシックスで読んでから、全訳出ないかなーと思ってたところに、これが出て助かる。さて、下巻はどんな話かな。2021/06/29

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

4
講談社学術文庫のような書き下し文・注・訳・評という構成。原文は漢文だからか未掲載。載ってても読めないけど。上巻の分類別では、第一「王道后宮」全九十九話、第二「臣節」全九十六話、第三「僧行」の五十一話まで。 独自の記事が少ないながらも、おそらく一生書名すら知らないでいた文献が多々あり、これを通じて現代語訳で読めることを喜ぶべき。素朴な疑問。本書の登録がほとんど無いことから明らかなように、”愛国者”は何故「世界に誇る日本」の古典に親しまないのだろう? →続く2021/06/04

SOLVEIG

3
本当に少しずつ読んでやっと上巻読了。どっかで聞いたような話あり、いろんな意味で「面白いねえ~。」と思う話あり。中には「そんなこと一々書き残すのか!?」って話もあったりしつつですが結構楽しく読みました。なかでもお坊さんの話は面白いのが多かったなと。 下巻もボチボチ読み進めます。2023/12/29

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