内容説明
呉服太物問屋の若旦那・綾太郎は悩んでいた。商売敵とはいえ、三百年続いた京の呉服問屋・井筒屋の暖簾をこのまま消してよいものかと。悩んだ末に相談に行った本両替商・後藤屋の大旦那からまさかの条件を突き付けられた綾太郎は、決着をつけるため、着物始末屋の余一とともに井筒屋へと向かった。一方、一膳飯屋の看板娘・お糸は十五のときから一途に思いを寄せていた余一と結ばれ、これから生まれてくる我が子の幸せを願い、ひと針ひと針、愛情を込めておしめを縫っていた──。市井の人情や温かさを描いた感動の大人気シリーズ、堂々の完結!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
119
シリーズ完結巻。何度か涙腺が緩みました。千吉のその後も気になるし、余一と糸の子供の成長も気になるし、続編を切望します。2019/03/29
とし
112
着物始末暦「結び布」10巻。余市とお糸の子供の名前が、お結布(おゆう)とは良いですね、気持ちの良い最終巻。2018/05/13
ぶんこ
48
これで完結?モヤモヤ。お糸と余一に女の子が誕生してめでたいのですが。300年の歴史があるお店って、そんなに大事ですか?襲われそうになったお糸ちゃんや刺された千吉さんの心の痛みはどうでもいいのかな。罪は償わないと子孫にまで祟るのではないのかな。現に祖先の人別偽りの件が後々まで綾太郎さんや多くの人を苦しめているのに。刺した女性も誰に頼まれたかを話さない謎が残ったままなのも不自然。利左衛門さんと千吉さんのその後もきになる。モヤモヤすぎて他の感想が書けなくなりました。2019/01/25
万葉語り
42
シリーズ最終巻。子煩悩な余一がなつぞらの一久さんに重なって見える。糸と布があれば着物の始末はどこででもできるという余一の言葉がよかった。2019-1192019/08/26
ドナルド@灯れ松明の火
40
井筒屋との決着がなんとも歯がゆいが、与一とお糸に赤ちゃんも誕生し明るい未来が開けそうだ。巻末に「了」とあり、えっ終わり?と思ってしまった。中島さんのあとがきを読んで成程ねと納得。 楽しませてもらいました。 お薦め2018/03/16