内容説明
「井筒屋で配られている引き札を、五枚集めたら高価な絹のしごきが貰えるぞ!」「どうやら井筒屋は、配ったしごきの色で美人番付をしているらしいぞ!!」正月早々、江戸の町では開店したばかりの老舗呉服問屋、井筒屋江戸店の噂で持ちきりだ。しかし、巷を賑わす話の裏には、実は隠された陰謀があった……。井筒屋の真の“狙い”とはいったい何なのか!? 着物の始末屋・余一が、一膳飯屋のお糸と共にその真相に迫るが――。着物の汚れも、市井の悩みも綺麗に始末する!! 大人気シリーズ、待望の第四弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
153
着物始末暦「雪とけ柳」4巻。江戸に店を出した京の呉服屋『井筒屋』と余一との関係、余一の過去が少しずつ明らかに、今回は余一さん、かなり自ら動いたのでは次巻も楽しみです。2015/05/04
小梅
106
このシリーズは主役である余一が出ずっぱりてはない所が良い!余一の出生や井筒屋との関わりも謎だが、既に伏線が張られてるのかな…また次作が出るまで随分と待たされるのだろうな。2015/03/18
藤枝梅安
90
登場人物に関する説明が少ないので、前作までの3巻が手許にないと難解な部分もある。が、無くてもなんとかなる。京都の呉服商・井筒屋の江戸店が開店し、大隅屋の綾太郎がその動向をさかんに気にするところから始まり、余一の師匠と因縁のある井筒屋に、経緯を知らされていない余一が接触を持ってしまうところまでを描く。この小説の面白みは、登場人物、特に女性達がわがままであけすけな物言いをして、ハラハラさせられたりイライラさせられたりする点。いわゆる「善人」が登場せず、その分リアリティがある。若者向けの時代小説ともいえる。2015/03/16
はにこ
70
京都から来て江戸で店を開いた井筒屋。しごきを無料配布しだしたがその思惑が黒すぎる!古着屋にも揺さぶりをかけたり、その悪どさは多岐に渡る。今回は明らかにされなかったけど、余一と井筒屋の関係とは何だろう。綾太郎も余一も井筒屋に負けないでー!おみつの恋心は分かるけど、相変わらず好きになれない。。お園は意外と良い人かもしれない。2020/10/03
ぶんこ
58
こちらのシリーズ、順番でたらめに読んでいたので抜かしていた巻を読んでいます。貧しい美人の娘に特別高価な(しごき)を与え、お妾さんの斡旋をする。女心をもてあそぶ呉服屋井筒屋。何やら秘密があって井筒屋には近寄らないほうがいいはずの余一、お玉、お糸が関わってくるのでヒヤヒヤしました。2019/01/20