小学館文庫<br> 安楽死を遂げた日本人

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小学館文庫
安楽死を遂げた日本人

  • 著者名:宮下洋一【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 小学館(2021/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094070408

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内容説明

NHKスペシャルで大反響。

ある日、筆者に一通のメールが届いた。
〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉
送り主は、神経難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前にスイスの安楽死団体に入会し、死を遂げたいという。実際に筆者が面会すると、彼女はこう語った。
「死にたくても死ねない私にとって、安楽死はお守りのようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」
日本人が安楽死を実現するには、スイスに向かうしかない。お金も時間もかかる。ハードルはあまりに高かった。だが、彼女の強い思いは海を越え、人々を動かしていく。

〈本作を読んだ多くの方が考えただろうことを、私も考えた。もし小島ミナと同じ境遇に置かれたら、はたしてどのような選択をするだろうか、と。
 著者が作中で記しているように、現にそうした状況に直面したわけでもない者の考えなど、しょせんは切迫感に欠けた想像や推測の類にすぎない。ただ、それでも考えてしまう。彼女のように安楽死を望み、それを選択するだろうか、と〉――解説:青木理

(底本 2021年7月発行作品)

※この作品は単行本版として配信されていた『安楽死を遂げた日本人』の文庫本版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さち@毎日に感謝♪

19
神経難病を患う女性が安楽死を望んでいるノンフィクション。前作の「安楽死を遂げるまで」でも思いましたが、日本でも安楽死の制度が進んで本人が希望する形で死を遂げる事が出来たらいいなと思いました。2021/09/15

paluko

8
先日読んだ『眠りの神』に、この方をモデルにしているのではないか? という部分があった。ノンフィクションとして読むとやはり重い。そして自分の受け取り方が歪んでいるのかとも思うが、55頁の医師の「それは感謝ですね。あなたは、これから、ずっと感謝し続けるんですよ。感謝することがどんどん増え続けていくんですよ」という言葉には凄い違和感を持ちました。「私の安楽死は(略)お金がかかる、時間がかかる、そして自分の死期を早めている。悪い点だらけです」(249頁)という本人の冷静な分析が印象的。2021/09/08

くらーく

6
NHKスペシャルで見たやつかあ。実際にはかなり大変だったし、本当にレアケースのようですね。 自分だったら、やっぱり安楽死を選びたいね。自分の意思表示が出来る間、自分で自分の人生にケリを付けられる間に、人生の始末をつけたいと思うわ。まあ、個人個人の考え方は違うし、育った時代や環境にもよるだろうけど。 個人的な備忘録。ライフサークル、ディグニタス、セデーション、ペントバルビタール。2021/08/21

ユウティ

5
ひとりの女性が安楽死を遂げるまでのルポ。著者の取材と彼女のブログなどが上手くまとまっていて、まるで一編の小説のようだった。彼女を支える家族や、他数人の安楽死希望者の迷いを含む考えなども正確に伝えてくれているんだろう。しかし全体的にはフラットとは言い難い本だったと思う。著者は安楽死には反対のようで、異なる考えを受け付けない感じがした。患者の意思よりも家族に重きをおいているが、その家族観があまりに理想的すぎるような。個人的には安楽死は選択肢としてあっても良いように思う。それこそお守り的にでも。2023/11/15

カエル子

4
月初が重たい1冊となってしまった。しかしとても勉強になった。安楽死と尊厳死や緩和ケアの違いをまずしっかり把握する必要がある。そして、緩和ケアの中にある「セデーション(鎮静)」という医療措置も知っておくべきだな。死に苦しみがまったく伴わないというのはきっと無理なことなんだ。自分の苦しみ、見送る家族の苦しみ、関わる医療従事者の苦しみ、そうしたことをしっかりと考え抜いた先にやっと安楽死への入り口がある。スイスへ行けば安らかに死ねるわけではない。どこでどんな死に方をするにしろ、そこへたどり着くまでの道のりが大事。2023/02/04

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