内容説明
得意料理はスパイスカレー。無職。彼女にフラれたて。
そんな僕・松本は、不思議な白いネコに導かれ、
十数年ぶりに幼馴染の中村と再会。
二人で間借りカレー店を始めたが、来店した「カレー予備校」の生徒・成宮さんに
こう言われてしまう。「趣味でここまで作れるのは凄い」と。
趣味ではなく、本気でやりたい。
僕たちはカレーの世界の有名人が揃う予備校に通い始めた。
自分たちの「本気」をつかみ取るために。
そして、仲間たちと「究極のミールス」を作り上げるために――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
77
考えることから逃げ、周りに流されてきた主人公。会社を辞め、彼女とも別れてしまった主人公が猫と出会った日に小学校時代の友人から電話があり、得意料理であるカレーを作る事に。新しい出会いの中で自分自身を真剣に見つめてはじめる。ついつい答えを求めたり、完結を目指したりしてしまいがちだが、実はそれらはそんなに大事な事ではないと気付かされた。何気なく毎日を過ごしているが、そんな毎日も同じ日は一日たりとも無く、人生も『冒険』の連続。そう思うと一日一日が少しだけ楽しくなりそうな気がしてくる。2021/06/04
夜長月🌙@新潮部
73
読書会に参加したら作家さんがいらして、これも縁と読んでみました。これを読むと間違いなくカレーを食べたくなります。カレー屋が美味しいのは市販のルーではなくスパイスを絶妙に調合しているからと思っていましたがどうも違うようです。プロはスパイスの調合に長けているのではなく味を引き出す特別な技術を駆使しているのを初めて知りました。そして特に美味しそうなのが「カレーとビール」の描写。たまりません。2022/11/30
kei302
65
「カレーにビール。最高だろ?」異論はない。☆☆☆☆☆星五つです。松本と中村が話すこのシーン、大好きです。 カレーにはビール。絶対です。絶対です。二回言ってみました。この会話を読んで、信頼できる!? 作家さんだと確信しました。もちろん、スパイスカレーが食べたくなる。NetGalleyJP2021/06/18
ヒデミン@もも
59
読み始めたら鉄板だけど、カレーが食べたくなって、早速カレーを作って食べた。でも、違う。ここに出てくるのは本格的なスパイスカレー。うーん、困った。どこに行けばこんなに美味しそうなカレー食べられるのか。真剣にそう考えるほど、この物語に入り込んだ。主人公と友達、出会う仲間が、みなイキイキしてる。私も美味しいレシピを探す冒険の旅に出よう。: #ネコとカレーライス #NetGalleyJP2021/05/17
ぶんこ
47
自分で簡単にそこそこ美味しく作れるので(勿論市販のルー利用)、外食したいとは思っていなかったのですが、この本を読んで行きたくなりました。文中に出てくる「アチャール」」「ラッサム」「サンバル」「パパド」「ライタ」の言葉、全く想像もできず調べました。しかもメモまでして、お店で注文する気満々。カレー予備校での班の5人それぞれに得意があるのですが、カレーそのものが得意なのは主人公の松本君。この5人が個別でお店を開いてもと疑問でしたが、原点に戻った2人で開店。著者自身がカレー教室に通った事が始まりとありました。2023/03/12