出版社内容情報
あれから私たちを取り巻く世の中も変わっていき、父が鉄のために働いていた頃とは違って、規模の大きな製鉄会社も小さな鉄鋼所も縮小ぎみで、そのいくつかの火が消されつつあると新聞や情報誌などを読むと、なんだか心が痛んでならない。しかし、どんなに世の中が変わろうと父が拘わった鉄はこれからも重要な工業製品であり続け、未来の私たちを見守り、支えてくれるはずだ。
内容説明
製鉄会社の企業戦士として海外に旅立つ父とそれを見送る母と幼い兄妹。私にとって父の残像は鉄とともに生きる姿だった。―昭和の家族史。文芸社×毎日新聞(営業総本部)「第6回人生十人十色大賞」長編部門最優秀賞作品。