「テレビは見ない」というけれど - エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読

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「テレビは見ない」というけれど - エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読

  • 著者名:青弓社編集部
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 青弓社(2021/06発売)
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  • ISBN:9784787234865

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内容説明

執筆者(以下、本書の掲載順)
西森路代、清田隆之、松岡宗嗣、武田砂鉄、前川直哉、佐藤結、岩根彰子、鈴木みのり

かつては「娯楽の王様」と呼ばれ絶大な影響力を誇った地上波テレビも、SNSや「YouTube」の普及、ライフスタイルの変化に伴い、かつてほどの勢いを失っている。その原因には、視聴環境の変化だけではなく、アップデートされていないジェンダー観や「やらせ」などの演出面の問題、そしてマイノリティへの配慮やコンプライアンスなどの様々な問題が複合的に絡んでいて、テレビはマスメディアとして変革を迫られている。

一方で、ドラマでは、野木亜紀子、宮藤官九郎、坂元裕二などの作家たちは、自らの作品で新たなジェンダー観を描き、バラエティー番組では「お笑い第7世代」が活躍するなど、従来の価値観に縛られないコンテンツも相次いで登場して、テレビの新たな可能性を感じさせてもいる。

「テレビは見ない」「「YouTube」は見る」といった二者択一の議論ではなく、テレビのどこがダメで、どこが面白いのかを正面から語るために、昨今大きな注目を集め、また社会的な課題でもあるジェンダーやフェミニズムの視点からバラエティーとドラマを中心としたエンターテインメントコンテンツを問い直す。

様々なジャンルで活躍する書き手がテレビの「いま」に切り込む、「テレビ好き」も「テレビ嫌い」も必読の新しいテレビ論。

2020年に放送され話題になったドラマ『チェリまほ』(テレビ東京系)のプロデューサー本間かなみへのインタビューも所収する。

目次

まえがき 青弓社編集部

第1部 バラエティーとフェミニズム・ジェンダー
 第1章 第七世代が浮き彫りにするテレビの問題点 西森路代
 第2章 人気バラエティー番組でのジェンダーの“描かれ方” 清田隆之
 第3章 テレビ史から見える女性芸人というロールモデルと可能性 西森路代
 第4章 わきまえない女たち――女性芸人とフェミニズムとエンパワーメント 西森路代
 第5章 バラエティー番組の暴力性――性的マイノリティをめぐる表現から 松岡宗嗣
 第6章 なぜワイドショーはずっとああいう感じなのか 武田砂鉄

第2部 ドラマとフェミニズム・ジェンダー
 第7章 フェミニズムの視点を取り入れた日本のドラマの変遷――二〇一四年から現在まで 西森路代
 第8章 坂元裕二、宮藤官九郎、野木亜紀子――三人の作家とフェミニズム 西森路代
 第9章 『チェリまほ』とBLドラマの現在地 前川直哉
 第10章 プロデューサー本間かなみに聞く――ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』を作って [聞き手:西森路代]
 第11章 フェミニズムから見る韓国ドラマクロニクル 佐藤 結
 第12章 画面の向こうとこちらをつなぐ“シスターフッド” 岩根彰子
 第13章 わたしのためではない物語に親しむ――マイノリティ、ジェンダー、テレビドラマと社会空間のあいだから 鈴木みのり

あとがき 西森路代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

憲法記念日そっくりおじさん・寺9条

76
最近のテレビのバラエティやドラマの動向を、フェミニズムやジェンダー論で考察した本。この本の中には確かに昨今の姿がきちんと捉えられており、後年に何らかの史料足り得る1冊である。本当に思うのは、女性芸人の在り方の変化。昔(といっても少し前まで)は女芸人なのに身体を張ったり、ブスやデブいじりで笑いを取っているのがすごいような風潮があったが、フェミニズムがわかっている女芸人が登場したし、ぼる塾みたいな容姿いじりもしないさせない平和な存在もいる。今や男だらけのバラエティを見ると妙に思えたりする。この調子で変えよう。2021/07/23

たまきら

48
いとこの佐藤結が寄稿しているので手に取りました。韓国映画・ドラマの批評をしてきた彼女だからこそ書ける内容ですが、自分が全く見ないのでチンプンカンプンで残念。ただ、自分の経験から言えるのは、時に日本よりも男尊女卑がある韓国ですが、韓国女性は大きな声で抗議しますし、その力がエンタメを変化させていると思います。日本人女性ももっと声をあげていきたいですね!…私はエンタメよりCMでジェンダーギャップ指数を分析するのが好きです。2022/11/14

おかむら

35
お笑いバラエティとドラマをフェミニズムとジェンダーの視点から見てみると…。女芸人の立ち位置の変化、なるほどねー!バラエティやワイドショーの男性優位はまだまだ変わらなそうだけど、男性同士の恋愛ドラマが地上波でやる(しかも人気)ような時代になるとは昭和の頃は思わなかったよ。武田砂鉄のワイドショー論がおかしかった。2021/09/23

29
こういうこと書くと怒られそうだし人を傷つけてしまいそうだけど、心の性が体と一致しない場合に振る舞おうとする仕草やファッションっていわゆる社会的なジェンダー観が含まれてしまわないのだろうか。よりジェンダーフリーな世の中になったときにその人たちのより所も変わっていくのだろうか。とか思った。性って男と女だけじゃないんだよってなったときに途端にこんな風に複雑で難しく感じてしまうけど安易に逃げないようにしたい。特にバラエティ番組について語られた前半が面白かった本でした。2022/05/14

katoyann

20
テレビ番組におけるジェンダーの表象について、コラムニストや研究者がそれぞれ論稿を寄せ、それらを出版社が編集した本。バラエティ番組における同性愛蔑視とトランス差別を指摘する論稿(松岡論文)や「ちぇりまほ」ブームにセクシュアリティの多様性への新たな感受性が見て取れるとする論稿を読むと、異性愛主義を前提とした男権的な恋愛観の差別性が分かる。その他、『逃げるは恥だが役に立つ』など性別役割分業をテーマにして話題となったドラマも多数取り上げられていて面白かった。ただ、ドラマを見ないので、分かりにくい話もあった。2023/09/11

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