内容説明
神出鬼没のホラー作家にして怪異譚蒐集家・那々木悠志郎再び登場!
生まれ故郷の村が近隣の町に吸収合併されると知り、十二年ぶりに道東地方の寒村、皆方村を訪れた井邑陽介。
妊娠中で情緒不安定の妻から逃げるように里帰りした陽介は、かつての同窓生から、村の精神的シンボルだった神社一族が火事で焼失し、憧れだった少女が亡くなっていたことを告げられる。
さらに焼け跡のそばに建立された新たな神社では全身の骨が折られた死体が発見されるという、壮絶な殺人事件が起こっていた――。深夜、陽介と友人たちは、得体のしれない亡霊が村内を徘徊する光景を目撃し、そして事件は起こった――。
果たして村では何が行われているのか。異端のホラー作家那々木が挑む、罪と償いの物語。『ナキメサマ』の著者が送る、ホラーエンタメド直球のどんでん返しホラー第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
144
2時間ホラーの一冊。まさに2時間サスペンスならぬ2時間ホラー。サクッと楽しめた。舞台は主人公が12年振りに帰郷した道東地方の寒村。村人の神的存在の神社を軸に同級生との懐かしい再会の傍らで起きた骨が砕かれた奇妙な殺人事件。何者の仕業か、果たしてこの世の出来事なのか、ただでさえ閉塞感と陰鬱な世界観に幽世のようなまるで白昼夢のような世界が相まって村の謎を盛り上げる。懺悔と称するような人の心の暗部、過去を抉り出し向き合わせるのはなかなかの読み応え。そして、全てがくるりんと…!あぁ!帰郷の目的がストンと腑に落ちた。2021/09/09
モルク
112
かつて実家があった道東の寒村に12年ぶりに帰り幼なじみと会う陽介。そこで村の象徴であった神社が焼失し、その神社の巫女を母から継ぐはずだった憧れの少女が焼死したことを知る。それから次々とおこる殺人事件。全身の骨が砕かれ、頭、顔を叩き割られるという壮絶で凄惨さ。幼なじみも死んでいき、思わぬ犯人の謎ををホラー作家の那々木が解く。主人公陽介もなかなかのくず。霊現象の謎解きよりも、最後が一番衝撃だった。まだナキメサマを読んでいないので、読んで見ようかな。2021/12/08
眠る山猫屋
84
名探偵にして作家・那々木悠志郎再登場!あれ、こんな積極的だったっけ?今回は合併に伴い消える故郷に戻って来た同級生たちが遭遇する怪異。誰もが密かに抱える罪悪感を餌に増殖する怪異。残虐な死に様。ホラー要素もだが、ミステリーとしての才覚を感じる。あえて突っ込むなら、起源不明の三門神社の件をもっと詳しく描いて欲しかったかな、三冊分くらい。怖さが増したはず。主人公の妻との関係、父親との確執、旧友たちの想いなど、罪悪感というキーワードへの伏線の伏せ方には見事にやられた。そして那々木さんの謎はますます深まるばかり。2021/06/24
sin
83
所々で出てくるが語り手が子を持つことに躊躇する様が伏線だろうが腑に落ちない。後半の畳み掛ける展開で証される神社の真相の暴露が後追いで肯定されるものの仮説がいきなり過ぎてしっくりしない。そのわりには黒衣の巫女の正体の迂遠な誘導が意味を成していない。終盤に証される黒幕の不自然な悪役ぶりに違和感を否めない「いや、全てはそこに繋がるんかいっ!」思わず突っ込みを入れてしまったが、後半の展開はスピーディーで面白い、ただ殺し過ぎだし、ミステリー仕立てにこねくりまわして物語がただのパズルに成ってしまってはいないだろうか?2022/09/12
こら
81
主人公が、とある理由で訪れた北海道の寒村で正体不明の漆黒の巫女が人々を襲うー! 洒落怖とかお好きな方はたまんないシチュ。しかもミステリ要素もあり一粒で二度美味しいですよー! 最後の一撃は前作『ナキメサマ』の方がパンチが効いてたかな。クズ人間やオチのパターン化で、流れが見えてしまったのが要因かなと。でも、相変わらず那々木先生のキャラと異形の造形はいい仕事してますね〜。と、思ったら新作キタ!那々木先生最初の事件ですってよ!2021/11/18
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