電力と政治 上 - 日本の原子力政策 全史

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電力と政治 上 - 日本の原子力政策 全史

  • 著者名:上川龍之進
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • 勁草書房(2021/05発売)
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  • ISBN:9784326351725

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内容説明

福島第一原発事故から7年が経とうとしている。この間、戦後の電力・エネルギー政策、とりわけ原子力政策の何が明らかになったのか? そして事故後、事態はどう動いていったのか? なぜ電力自由化の改革は急速に進み、脱原発は後退したのか? とは言えなぜ自民党は原発再稼動を思うように進められないのか? 政治学であざやかに読み解く!

目次

はしがき

第1章 原発導入――政官業の思惑と対立の構図
 1 九電力体制の成立
 2 原子力予算の成立
 3 原子力平和利用キャンペーン
 4 原子力導入に向けた政界・産業界の動向
 5 原発をめぐる電力会社と通産省の主導権争い
 6 科学技術庁の四大プロジェクト

第2章 活発化する反原発運動と暗躍する原子力ムラ
 1 原子力船「むつ」放射線漏れ事故と原子力安全委員会の設置
 2 反原発運動の活発化と通産省・電力会社の協調路線の確立
 3 核燃料再処理事業をめぐる電力会社と科学技術庁の対立
 4 核不拡散問題と日米原子力協定の改定
 5 核燃料サイクル基地の建設
 6 反原発運動と労働運動の分裂
 7 チェルノブイリ原発事故の衝撃

第3章 原子力冬の時代――東京電力と経済産業省の一〇年戦争
 1 原発拡大路線の行き詰まり
 2 一九九〇年代以降の四大プロジェクト
 3 原子力行政の失敗と科技庁の解体
 4 電力自由化をめぐる電力会社と経産省の戦い
 5 核燃料サイクルをめぐる対立
 6 東電と電力族の結託

第4章 原子力ルネサンスの到来――暴走する原子力ムラ
 1 原子力ルネサンスと原発輸出の促進
 2 佐藤栄佐久・福島県知事とプルサーマル計画
 3 関電美浜原発三号機事故と新潟県中越沖地震
 4 福島原発事故以前の民主党の電力・エネルギー政策
 5 無視された警告

第5章 東京電力の政治権力・経済権力
 1 経済界における東電の権力
 2 行政機関に対する東電の権力
 3 自民党との関係
 4 学界に対する東電の権力
 5 労働組合を通じた東電の権力
 6 立地自治体における影響力関係
 7 反原発団体・市民運動に対する東電の政治権力
 8 司法をめぐる影響力関係
 9 マスメディアに対する電力業界の権力
 10 世論対策
 11 東電の権力の源泉

第6章 菅直人と原子力ムラの政治闘争――脱原発をめぐるせめぎ合い
 1 東電への緊急融資
 2 東電支援スキームの策定
 3 菅直人首相の脱原発路線への転換
 4 菅降ろし
 5 玄海原発再稼働をめぐる争い
 6 「脱原発宣言」と菅の退陣


参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山口透析鉄

11
発売された頃に買った本をようやく読んでいます。何度も出てくる正力松太郎と中曽根康弘、そしてアベ周りも、見事にろくなことを何一つしていなくて、この辺は原子力関連の書籍を少し読めば幾らでも具体例が出てきます。 総括原価方式が諸悪の根源というのも同様で、こういう例はそれこそ広瀬隆氏の本にも出てくるくらいですが、私が大学時代に入らされた和敬塾の学生はこの辺、一切の理解もなくて、日本のしょうもない現実にウンザリしたまま今に至っています。 原子力をめぐる政治の通史としても良くまとまっています。2022/10/22

青雲空

4
上巻は民主党の菅政権まで。この後、戦後の逆コースのような原子力ムラの巻き返しが始まる。とはいえ、著者は原子力ムラも、その思惑通りには原発回帰を進めれていないと述べている。この本は、2018年に出版された。その時点ではそうだっただろうが、スガ、岸田で悪政が加速していることが絶望感を煽る。2023/04/11

Hiroo Shimoda

4
電力政策の歴史。なぜ電力会社が原発を推進したか、なぜ影響力が強いのかが描かれる。「シンドローム」を思い返しながら読んだ。2019/01/19

takao

3
表面的。2022/01/12

ミント

2
★★★★ 多くの参考文献をもとに全体としてよくまとめられている。 原発の導入は、政治家が科学者の意向を無視し、電力会社の経営者が通産省の介入を封じようとして非常に拙速に進められた。 欧米諸国では電力自由化が進むと原発の新増設は進まなくなった(リスクが大きい)。 女川原発(東北電)や東海第二原発(原電)は対策を行ったことで事故が避けられた。 東電は資金力により強大な政治権力、経済権力を行使してきた。2020/08/11

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