メイド服とレインコート - ブリティッシュ・ファッションの誕生

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メイド服とレインコート - ブリティッシュ・ファッションの誕生

  • 著者名:坂井妙子
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 勁草書房(2021/05発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326654208

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内容説明

18世紀後半、イギリスから始まった産業革命はファッションの世界にも大きな影響を与えた。大英帝国絶頂期のロンドンは、最新流行の発信地であり、衒示的消費の聖地であった。ファッションが従来の階層指標ではなく、個性を表す自己表現としての機能を獲得していくさまを、当時の雑誌や大衆小説、現存する衣服の写真から活写する。

目次

序章 イギリス人とファッション
 1 ブリティッシュ・ファッションとモダニティ
 2 ロンドン、階級、ジェンダー
 3 フランス人への対抗意識

第一章 ミドルクラスのファッション・センス
 1 ミドルクラスを特徴付ける価値観
 2 コルセット論争にも自己抑制
 3 色彩コンプレックスの克服法

第二章 ホームズはレインコートで沼地を這い回る
 1 防水コートの発達
 2 ホームズ作品における防水コート
 3 ファッション性 
 4 紳士の正しいファッション観

第三章 乗馬服でキリッと美しく
 1 鞍の改良と乗馬の大衆化
 2 テーラー・メイドの乗馬服が完成するまで
 3 ブリティッシュ・ファッションへ

第四章 メイドのハンナはファッション嫌い?
 1 雑役婦としてのハンナ
 2 家事使用人問題とジェンダー規範の問題点
 3 ハンナのファッション観

第五章 夏の海辺で、花柄のコットン・ドレス
 1 ホロックス・ファッションズ
 2 花柄コットン・プリントの発達
 3 ドリー・ヴァーデン・コスチューム

第六章 イギリス人のアート感覚がファッションになる!
 1 初期のエステティック・ドレス
 2 リバティ商会の役割
 3 イギリスらしさの新たな展開

おわりに
初出一覧
図版出所一覧
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rinakko

10
「イギリスらしいファッション」の起源を19世紀後半から1920年ごろに求めた考察。“当時のイギリス社会では、鋭い色彩感覚を持つことがことのほか重視された。一つには、色調の微妙な差異を見分けることが階級指標として機能したからである。(略)ところが、彼等の多くは色彩音痴だった。” “改良された乗馬服は、真の意味でのモダンなブリティッシュ・ファッションである。” “エステティック・ドレスの長期に亘る流行を通して、イギリス人女性は芸術的な衣服の色、スタイルについて学習し、センスを磨いた。” など。2021/06/08

rinakko

8
再読。ブリティッシュ・ファッションの起源を19世紀後半から1920年頃に求めた考察。ヴィクトリア朝後期、そこそこの経済力を持つミドルクラスが台頭するが、彼らの多くは色彩音痴だった(なんと!)。フランスへのコンプレックスを克服する為の努力から生み出された、イギリスらしいファッション。例えば女性用乗馬服は、男性スーツが完成させた地味なエレガンスを、乗馬服の美的近代化に向けた結果、モダンな健康美と洗練というイギリス人らしさを表すのに最適な女性服となった。メイド服は、雇用主と使用人の間の階級闘争から生まれた…など2024/03/29

Mr.deep

4
最低限の知識持って読んだら絶対面白い奴!今度もう少し服飾史のいろはを学んでからまたリベンジしたいと思いますなお、メイドのハンナさんのキャラが自分の性癖にどストライクだったことを付言しておきます。2023/02/13

ナタデココ

0
紳士淑女を目指す熱意がすごいよね。乗馬服が改良されていく流れがほんと好きです。確固たる理想像があり、そこに突き進んでいる感じがしてね。ホームズにおける「mackintosh」と「waterproof」の使い分けと着用者の身分の関連性。特異な立場に置かれたメイドさんの日記による仕事・身分・服装の考察もよかった。図書館。2021/05/05

おろしだいこん

0
前読んだ小説で気になっていたレインコートについて書かれていたので嬉しかった。2019/09/14

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