内容説明
衰退する清朝の根幹を揺さぶった太平天国。天下平定を目前に、平等を唱えつつ激化する上層部の腐敗と権力抗争! 南京を陥落させ、長駆北京へ進撃! ――長沙城を諦めた太平軍は北に進み、北京に賭けて政府軍の抵抗を排して湖北省・益陽城を落し、岳州も占領して大水軍を持った。50万の船団は、長江を埋め、遂に南京を陥落させて国都・天京と改めた。しかし、平等を唱える太平天国の上部に、微妙な力の対立が生じ、天下平定を前に、内外の緊張は頂点に達しようとしていた。<全4>巻)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんすけ
14
清朝の末期現象はとどまるところを知らず汚わいを表面に噴出したかのように観える。 それに勢いを得て太平軍の進撃は拡大していくが、何か不安を抱えている。規律という面では烏合の衆だった清軍よりは優れていたが、統率者の知性はそれほど高くなかった。洪秀全は万年科挙落第生であり、軍務には関心を持っていなかった。 その意味で軍の規律を支えていたのは楊秀清だったが、彼は文盲であり知識は耳学問で蓄えたもので整理されたものではなかった。記憶力が優れていたから最初はかなりの成果を上げるが、体系化されていなかった。2020/11/03
亀様
1
快進撃を続ける太平軍はついに南京をおとします。しかしそのころから上層部のすれ違いが始まり。。。
あき
0
新しい国を立ち上げるというと、水滸伝を連想しました。中国では政治が腐敗してそれを倒して新たな政権を立てるという歴史が、他の地域に比べて多い気がします。この太平軍も水滸伝の梁山泊も、世直し的な意味では善なのに、反乱軍という意味で悪になってしまう。政権をとってしまえば、勝者が正義ということで、善になるんだろうな・・。でも、太平軍は太平軍で、南京を占領してからは腐敗が進んでいる。権力を持つと腐敗するというのも世の常なのだろうか・・。2014/04/19
tama
0
外国が接触を始める2012/08/20