内容説明
二つの国のはざまで青年は運命を生きぬく。上海で生まれ日本で育つ。沸騰する抗日論の中で、世航の運命は? 感動の大河小説完結編――南北統一を果たした中国は、悲願である東三省(満州)を加えた大統一を目指していた。武力進出を企てる日本への憎悪は、全土で燃え上がる。仲間の警告で世航は、テロの巻き添えこそ免れたが、日本で育った華僑として、一ジャーナリストとして、想いは千々に乱れる。日中近代史を描ききった大河小説、ここに完結。<全3巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
161
下巻では 昭和初期の満州事変・上海事変での 中国青年たちの活躍を描く。 関東軍の謀・抗日の高まりが強くなる 中国での日々… この時代の中国視点の歴史の記載は あまり馴染みがないため、大変興味深い。 温 世航は 中国の未来に何を見たのか? 日中戦争前夜の貴重な中国視点の作品だった。2019/01/23
8bunbun
2
金順記一族に導かれ中国を阿片戦争から旅できた。関東大震災の甘粕や満州のこと、胸がつまる。2024/01/16
櫂
2
おお、世航さん一気に成長した。やはりお金に困るということが成長に重要な因子なのか。まだまだ物語は続いていくというような終わり方。人生を感じる。2015/01/31
五味 多賀男
1
中国人から見た近代史が面白かった2018/02/03