講談社文庫 山河在り（中）

著者名：陳舜臣【著・その他】

講談社（2021/04発売）

• ISBN：9784062736008

内容説明

統一戦争に揺れる祖国、新しい時代の息吹！　孫文の北伐、張作霖の爆殺。大陸を遍歴する世航は歴史の最前線へ。激動の時代の大叙事詩――孫文は、中国全土統一を目指し、北伐を開始。関東大震災から１年、温世航は、貿易商一族の歴史をまとめるため、香港、上海を遍歴する。世航は香港で、学生時代の仲間、同舟会の趙錫堂と再会した。だが錫堂は、孫文に敵対する「商団」に深く関わっていた。そして張作霖の爆死事件。新時代の波に青年は身震いする。＜全３巻＞

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[遥かなる想い]

中巻にはいり、中国内部の勢力争いは 加速する。 英米と 日本の 中国における主権争いは 凄まじい。 孫文の北伐から、張作霖の爆死まで… 温 世航の視点で 淡々と描かれる。 中国の若者たちは 何を志したのか？ そして 時代は やがて 満州国へ… 不気味な足音が聞こえてくるような、中巻だった。

2019/01/18

[櫂]

大日本帝国が第一次世界大戦の勝利で調子に乗って、白人と同じ侵略という手法を取った頃の話。日本に親しい中国人の視点から語られるストーリーは既往の歴史認識とはまた違って見える。中国と韓国に恨まれる原因の時代。そんな中で生き生きと活動するキャラクターたちに魅せられる。

2015/01/28