内容説明
「もう泣くまい。悲しむまい。復讐の第一歩として、人知れず日記を書こう。それは今の慰めの唯一であると共に、又彼等への復讐の宣言である――」。親の借金のために吉原へ売られた少女・光子が綴った、花魁・春駒として日々、そして脱出までの真実の記録。大正15年に柳原白蓮の序文で刊行され、娼妓の世界に、また当時の社会に波紋を呼んだ告発の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
50
女であることは、かくも辛く悲しいことか。死!死!死!の文字も踊るハードコア日記。客や同僚の姿が生き生きと描かれ、小説のように読める。2020/01/23
やいっち
47
苦界に沈められた女性の肉声を知りたくて。筆者は、あきらめの心と戦い、日記を書くことで生き抜いた。いつか、自分を廓に沈めたやつらを社会を告発し復讐するという執念で生きたのだ。廓モノというと、西山松之助著の「廓」(至文堂)を筆頭にあげたい。2017/09/25
みつき
44
大正十三年、親の借金で吉原に売られた十九の女性が『春駒』という名で娼妓として働いた日々を綴った作品。よくある花魁の叶わぬ恋のせつなさ、生きるのに疲れ果てた女性達の儚さを描いている作品では全くありません。吉原から死に物狂いで逃げ出し、柳原白蓮の元に身を寄せるまでの二年間に書き貯めた日記には、言葉巧みに身売りを勧めた周旋屋、金の亡者の妓楼の主人への恨みつらみが多く描かれています。どんどん穢れていく苦しみに耐えながら、自分を忘れず強く生きたいと願う。フィクションでは描けない悲痛な心の叫びが聞こえてきます。2013/03/07
のんすけ
40
【読メ・遊廓部 課題図書】吉原で実際に花魁をしていた少女の日記。田舎から売られてきた店で、何をするのか知らずに始まった辛い日々を、この少女は日記を書くことで心だけは清浄に保とうと必死になっている。店に入ったのは16歳。まだまだ世間も知らず騙されやすい背景もあった。送り出した母親をも疑い、郭の中では借金が減ることもなくひどい扱いを受ける。当事者の言葉は重い。このまま続編でこの本を公にした経緯なども知りたく、ジャングルに予約してしまいました。2017/07/02
あすか
36
19歳で身売りされる光子。周旋屋に騙され、吉原で花魁として働くことになる。何も知らず働き始めた光子はやがて身も心もボロボロになる。唯一の救いが日記を書くこと。赤裸々に綴った日記が本書となる。 途中伏せ字がいくつか出てくるのが気になりましたが、壮絶な人生を送っていた光子は生きていて強いなと思いました。最後まで読んでこの本の趣旨がわかり、最後に納得しました。2018/02/21
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