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内容説明
一九三二年,夏.世界恐慌のあおりでベルリンの街にも失業者があふれるなか,「よりよき未来」を約束するナチは急速に勢力を拡大していた.ヘレの弟ハンスは,悩みながらも社会に足を踏み入れていくが,やがて否応なく不穏な時代の流れに巻き込まれ…….ヒトラー政権奪取までのわずか数か月を,十五歳の視点で描く第二作.
目次
第三章 夜のたいまつ行列┴第四章 炎上┴原注┴あとがき┴訳者あとがき┴『ベルリン1933』にまつわるドイツ年表┴【上巻目次】┴第一章 石と鉄の街┴第二章 ここはだれの通りだ?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
33
この間の冒頭では、3か月前の選挙でナチスは二百万票を失い、共産党が百万票票を伸ばしたとある(p17)。それでもナチスは依然第一党で、共産党と社会民主党は政治的立場の違いから、未だに協働できずにいる。まさかそんなことはしないだろうという思惑をよそに国会議事堂の放火事件が起こり、「全権委任法」の国会での可決によりヒトラーは「合法的」に全権を掌握し、歴史は後戻りできなくなる。第二部はここで終わり、1945年の第三部まで時間は飛ぶ。表紙はハンスとミーツェとおぼしきふたりが手を繋いで湖を見つめる姿を後ろから描く。2024/12/11
しゃん
24
「壁を背にして」という副題のとおり、ゲープハルト一家は背水の陣の状況が続く。その厳しい状況の中だからこそ、主人公ハンスとその兄ヘレとの信頼関係には心打つものがあった。本書は、ゲープハルト一家の目を通して、1933年のベルリンを描いており、それだけにナチスの横暴ぶりが恐怖感ととも迫ってくる。ヒトラー政権の怖さは、それが正当な選挙を通じて権力を握ったことにある。ナチスの暴力が正義となり、法律が彼らに不都合なものを排除していく。それ以上に怖かったのは、ナチスの権力を笠に着てやりたい放題の者たち。次1945年へ。2020/09/27
ケイトKATE
24
(上巻からの続き)それにしても、本書で書かれているドイツ社会は決して昔の出来事とは思えなかった。不安定な社会において何もできない政治家、権力を奪うために都合のいい言葉を並べ立て敵対する勢力を罵倒し衝突している状況は、今日の世界でも変わらないと思った。本書は暴力描写がたくさん登場し、読んでいると心が痛くなるが、多くの人に読んでほしい。いよいよヒトラーによってドイツは破滅へと突き進むことになるが、ゲープハルト家の人々の運命はどうなるのであろうか。覚悟して第三部を待ちたい。2020/05/01
ぐみべあ
19
どんな風にしてドイツがナチに染まっていったのかが、恐怖感を持ってわかる一冊。自分の兄弟が、友人がまさかナチの支持者になるとは、、という驚きと絶望を主人公と一緒に感じながら、その中でも諦めない不屈の精神で立ち向かっていく。ナチスを支持しないと酷い弾圧を受けるので、この時代に屈さずにいることがどれだけ難しかったかがよくわかる2020/10/24
遠い日
15
15歳のハンスの視点で描かれるヒトラーが政権を握った直後の日々。ナチの台頭だ。世の中ががらりと変わる。権力が横行する。社会民主党と共産党の見通しの甘さと動きのなさにはハンスたちでなくともがっかりだ。姉マルタとの関係はさらに悪化し、ヘレとユッタは拘束され、家族はばらばらに。モスクワ行きを強く両親から勧められるが、ミーツェと別れられない。ついに失業し、生活のあてはない現状だ。「壁を背にして」、もう何処へも行けないのだ。1945へ急ごう。2022/04/07
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