合理性と自由(上)

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合理性と自由(上)

  • 著者名:アマルティア・セン/若松良樹/須賀晃一/後藤玲子
  • 価格 ¥5,060(本体¥4,600)
  • 勁草書房(2021/03発売)
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  • ISBN:9784326102396

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内容説明

経済学や哲学、さらには社会科学全般で基礎的な概念である「合理性」と「自由」。あまり精査されてこなかったこれらの概念を、さまざまな学問に影響を与えてきたセンが吟味し、その有効性と限界、そしてその功罪をも解明していく。社会的選択論、厚生経済学、そして哲学にも多大な問題を提起する、ノーベル賞受賞者による渾身の大作。

目次

はしがき

第I部 導入
  第1章 序論:合理性と自由
    1. 主題と概念
    2. 相補的な関係
    3. 自由の位置
    4. 自由:機会とプロセス
    5. 選好と自由
    6. 福祉、達成物、自由
    7. 合理性と「選択の内的整合性」
    8. 自己利益の最大化
    9. 合理的選択理論
    10. 自我の四つの特徴
    11. 最大化とその超克
    12. 合理性は何の役に立つのか
    13. 結語

  第2章 社会的選択の可能性
    1. 社会的選択理論
    2. 社会的選択理論と構成に関する悲観主義の起源
    3. 厚生経済学と死亡記事
    4. 形式的方法と非形式的な推論との相補性
    5. 可能性と不可能性の近接性
    6. 多数決と整序性
    7. 情報的拡大と厚生経済学
    8. 個人間比較の情報的基礎
    9. 貧困と飢饉
    10. 相対的剥奪とジェンダー不平等
    11. リベラル・パラドックス
    12. 結語

第II部 合理性:形式と実質
  第3章 選択の内的整合性
    1. 動機
    2. 選択、対応性、整合性
    3. 選択の内的整合性の難点はなにか
    4. 社会的選択と個人の選好
    5. パレート派リベラルの不可能性
    6. アローの不可能性定理における整合性公理
    7. 内的整合性または社会的合理性なしのアローの不可能性の帰結
    8. 結語

  第4章 最大化と選択行為
    1. 選択行為
    2. 直接的関心 対 道具的説明
    3. 責任、選択者依存性、メニュー依存性
    4. 受託者の責任、規範、戦略的高潔さ
    5. 最大化と最適化
    6. 選好と自己賦課的制約
    7. 結語
    補論

  第5章 目標、コミットメント、アイデンティティ
    1. はじめに
    2. 目標、知識、囚人のジレンマ
    3. アイデンティティ:厚生、目標、選択
    4. 目標優先性と道理に基づいた選択
    5. 結語

  第6章 合理性と不確実性
    1. 整合性と利益
    2. 推論と対応
    3. 不確実性と推論
    4. 独立性と合理性
    5. 結語

  第7章 非二項選択と選好
    1. はじめに
    2. 選択関数と二項関係性
    3. カンガーの新機軸
    4. なぜ背景依存なのか
    5. 結語

第III部 合理性と社会的選択
  第8章 合理性と社会的選択
    1. 難問の数々
    2. 社会的厚生判断とアローの不可能性定理
    3. 社会的選好、社会的選択、不可能性
    4. 理性的な社会的厚生判断について
    5. 社会的決定メカニズムについて
    6. 手続きと帰結
    7. 自由、権利、選好
    8. 価値評価と個人の選択
    9. 結語

  第9章 社会的選択の基礎としての個人的選好
    1. はじめに
    2. 社会的選択を選好に依拠させることに対する数々の批判
    3. 定理と定式化の基礎としての選好
    4. 解釈上の多様性と文脈的な明細化
    5. 個人の優位性を査定する際の選好の限界
    6. 選好形成、対話、交換
    7. 手続き、権利、ゲーム形式
    8. 結語

  第10章 社会的選択と正義
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

17
02年初出。合理的な愚か者:抑圧の犠牲者(7頁)。福祉と自由:福祉が社会評価の信頼できる基礎を提供する考慮でも、自由という理念に取り込むことができるか問われるべき(9頁)。第1章脚注15:シトフスキー(1976)では、音楽、絵画、文学、歴史はすべて自由を自身の選好変更したい願望と結ぶ実質的可能性を与えるという(13頁)。合理性が自由を評価する際に重要であるのと同様、自由も合理性にとって中心的(57頁)。厚生経済学:個人間の効用損益の比較に基づかず、個人による社会状態の順序づけを基礎とする(77頁)。 2015/04/23

roughfractus02

3
原題はRationality and Freedom。Freedomは野生の自由とされ、法的な権利を含むLibertyと区別されるゆえに、自由放任のような意味で用いられてきた。著者は、Freedomにも選択する際の社会性があり、そこには利己主義的な共感や利他主義的なコミットメントが混ざり合う潜在能力がひしめくという。Libertyの合理性から見れば潜在能力の選択を行うFreedomは不合理だが、むしろ多様なのだ。この場面を支えつつ合理性を導出する経済は、厚生経済と呼ばれる。本書は忍耐強くこの論理を進める。2020/07/07

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