内容説明
「人生は生きるに値するものだ」(本文より)
奇跡と感動の2400枚、堂々完結!
著者最初で最後の「自作小説のあとがき」も収録。
一生に一作しか書けない小説。『錨を上げよ』には私のすべてが詰まっている。
――百田尚樹
●あらすじ
北海道から大阪の実家に戻った又三は、ビリヤード場で知り合った保子と恋に落ち、電撃的に結婚。
さらに大学時代の親友・柿本に紹介された放送作家の仕事も軌道に乗り始める。
とうとう風来坊を卒業し、安住の地を手に入れたかに思えたその時「ある一夜の出来事」が彼を地獄に突き落とす。
又三は波乱万丈の人生に無事に“錨を下ろす”ことができるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミッフー
102
何とか四冊完読💦お馴染み百田氏デビュー作とか⁉️永遠のや、海賊といった氏代表作と違い、繊細さに欠き荒削り感が否めません😓四冊共に末巻で著名人(僕は誰も知らない😅)と言われる人達が、百田氏の人となりや同書を絶賛するコメントを寄せているが、正直僕には❓単に僕の読解力の無さだけではないと思うんだけど🤔今までの三巻にはない愛についてこの四巻は書かれています。伴侶に高潔さや貞操感を求め裏切られ、別れを決断した主人公又三。バンコクで知り合った哲学者のような影山に感化され、そんな内容の本だけど、それだけです😩2020/08/25
けぴ
56
北海道から大阪に戻り放送作家となる作田又三。保子と結婚して私生活も安定。現実の作者に近いストーリーが展開されていくかと思いきや、保子の浮気で離婚にいたり仕事も辞めてまさかのタイのバンコクへ。若いころと同じ自堕落な生活に読んでいてガッカリするところもあるが、ヤクザ者からタイ人の女性を奪還する件は初期の又三を彷彿させる。ラストは大阪に戻り保子とやり直しを考えるが、保子は再婚している。30年余りの人生の紆余曲折がジェットコースターのように描かれた本作は『海賊とよばれた男』を上回る百田尚樹のベスト小説と思う。2022/02/23
ロボット刑事K
43
私にとって読書は、あくまで脳ミソをリフレッシュする手段で、手軽に笑えて泣けて、感動するためだけに本を読むのです。つまり理解するのに手間がかかる書物は私の守備範囲外、読書に頭を使うなんて本末転倒なのです。これまで読んだ百田作品は私の読書に打ってつけでした。本作もそのはずだったのです。全4巻を読破し、感想は一言、疲れた。主人公が理解できないイライラする等と言っておきながら、目が離せず、遂には柄にもなく「愛とはなんぞや」等と愚考してみたり。こんな読書は私らしくない!☆5つです。百田尚樹、この人の本はやばい。2021/07/01
reo
42
年を跨いだ「錨を上げよ」遂に最終巻。尾羽うち枯らし這う這うの体で北海道から故郷の大阪へ逃げ帰った作田又三。金だけは持ち帰ったのだが、その貯えも遊び惚けて底を尽きかけるころビリヤードの店員宇野安子に出逢う、アッという間に恋におちアッという間に結婚へ。柿本の紹介で放送作家の道に進む、水を得た魚のように順風満帆のスタートを切ったのやが柿本の失恋が切欠で職を失う。と同時に嫁はんの浮気を目の前で見せられ、流石の又三も天を仰ぐ。その後タイで放浪を重ね日本に帰って来るのだが、果たして又三は!四巻一気読み。面白かった😄2025/01/07
ミスターテリ―(飛雲)
38
一から四まで全編一気読みであった。初めて書いた小説で、こんなにも面白いとは、主人公の生き方があまりにも破天荒で、道徳的にもどうかと思う部分が多々あり、現代ではアウトだが、それも含めて昭和の時代を懐かしく描いている。自伝的小説ということだったので、百田さんが作家になるまでの遍歴かと思っていたが、まったく違って壮大なる愛の遍歴であった。はたして「愛する男」作田は真実の愛を手に入れることができたのか・・ただ彼が求める愛がどう考えても一方的で、そのためにいろんな失敗を繰り返す、そこにこの作品の面白さがあった。2024/10/14