ジョブ型人事制度の教科書

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ジョブ型人事制度の教科書

  • ISBN:9784820728771

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内容説明

●本書「はじめに」より
残念ながら、「ジョブ型」についての誤解が多いことを実感する。例えば、「ジョブ型は成果主義のことだ」「ジョブ型はリストラのためにおこなわれるものだ」といった誤解である。それは、日本において「ジョブ型」を体系的に学ぶための機会が圧倒的に不足していることによるからだ。

「ジョブ型」は確かに日本の人事慣行と相容れない部分のある難しい仕組みである。
しかし、日本以外のグローバルではほとんどが「ジョブ型」を採用しており、日本でも「ブーム」となって何度となく上陸するのは、「ジョブ型」の持つ普遍性ゆえであろう。
その普遍性とは「処遇は職務の価値によって与えられるものであり、年齢・性別・人種などによって変えられるべきものではない」ということである。

日本においては、「年功序列」がやり玉にあがることが多いが、「年齢が高い者が高い処遇を得るのではなく、職務価値が高い者が高い処遇を得る」ということを志向しているとも捉えられる。誤った理解に基づき、このような本質を見誤るのは望ましいことではない。

本書は、「ジョブ型」の持つ良い点も悪い点も含めて、体系的に整理し、まさにこれから導入する日本企業の「教科書」として役立つことを期待している。

【主な目次】
第1章 なぜジョブ型人事制度が求められるのか
 第3次ジョブ型人事制度の到来
 いま、ジョブ型制度が求められる背景

第2章 ジョブ型制度の普及拡大の実態
 普及が大きく進むジョブ型制度
 日本企業がジョブ型制度を導入する狙い
 非管理職へも広がりつつあるジョブ型制度
 全面的なジョブ型制度への移行増加

第3章 日本の労働慣行とのギャップ
 日本と海外の労働慣行の違い
 ジョブ型制度における異動の捉え方
 新卒一括採用、ゼネラリスト育成との兼ね合い
 日本企業にマッチするジョブ型制度の構築・運用ポイント

第4章 ジョブ型制度における等級制度
 ジョブ型制度の根幹をなす職務等級
 職務評価とは
 職務評価の実際のプロセス
 職務評価の留意点
 職務評価を踏まえた等級体系の構築
 職務記述書とは
 職務記述書を整備する意味合い
 職務記述書と職務評価の運用

第5章 ジョブ型制度における評価制度
 ジョブ型制度における評価制度の位置づけ
 職務に基づく業績評価(目標管理制度)
 業績評価を巡る昨今の論点
 職務遂行に求められる行動特性の評価(コンピテンシー評価)
 評価運用を上手く進めるための3つの要点

第6章 ジョブ型制度における報酬制度
 ジョブ型制度における報酬制度の位置づけ
 全社共通の報酬制度vs職種別の報酬制度
 報酬設計上の4つのポイント
 ジョブ型制度における昇降給
 手当の考え方
 賞与の考え方

第7章 導入コミュニケーション
 導入コミュニケーションの重要性
 全体と個別に対するコミュニケーションの使い分け
 実際のコミュニケーションの進め方
 社員への人事制度の開示レベル

第8章 ジョブ型制度における運用体制・プロセス
 ジョブ型制度の運用体制・プロセス上のポイント
 人事部の役割・機能の変化
 人事部のジョブ型制度ノウハウの蓄積・継承
 ジョブ型人事制度を支えるシステム

第9章 ジョブ型制度の導入事例
 [CASE1]管理職と報酬の適正化に対応した事例 大手通信業A社
 [CASE2]グローバル化に対応した事例 大手制御装置メーカーB社
 [CASE3]生産性向上に対応した事例 中堅精密機器メーカーC社
 [CASE4]ダイバーシティに対応した事例 大手消費財メーカーD社

第10章 ジョブ型制度の導入における課題
 ジョブ型制度の導入と運用を阻むもの
 日本企業に染み付いているメンバーシップ型雇用の発想
 運用主体である人事部門の改革

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

復活!! あくびちゃん!

6
うーん…。正に「教科書」という感じで、タイトルは「ジョブ型」となっているが、一般論的な「職務等級制度」とそれ程変わらない内容。おまけに肝心な職務記述書や評価制度についてはサラッとしか書いていないし、導入事例も浅い内容で全く参考にならない。どちらにしても「ジョブ型人事制度」を導入するには、人事部の人的リソースにある程度余裕がある大企業でないとムリだということがわかったのは収穫。結果として、基本的にこの本だけでは「ジョブ型人事制度」は導入できないので、コンサル会社のPR的な本だと思います。残念!!2021/11/24

リン

3
流し読みしたが、色んな観点で思うことがあった。個人がキャリアを考えていく上でも重要な観点だと考える。成果責任がどんなもんか、その組織の中でどれだけ重要なのか、市場にどれだけそれができる人材がいるのか、という観点が報酬に直結するため、ただ闇雲に立ち回るのは避けた方が無難なんだろう。 またこれまでの日本型人事から徐々に現場に人事機能が移管されていき、管理職ならびにBPがより専門性を持たないといけない事を忘れてはならない。2024/12/09

らる

3
日本以外のグローバル企業はジョブ型採用/処遇は職務の価値によって与えられるものであり、年齢・性別・人種などによって変えられるべきものではない/適所適材の考え方。人ありきでなく、職務ありき/スペシャリスト中心キャリアになるが、経営幹部候補にはゼネラリストキャリアでの育成が重要になる/職務評価ではポストと人を分離して考える必要がある。「現職者ができていること」ベースで考えるべきではない/成果重視の目標設定が重要になる/ジョブ型雇用の運用は、事業部門の裁量を一定にして意思決定は全社で行う体制が必要になる2023/11/26

Go Extreme

2
なぜジョブ型人事制度が求められるか:第3次ジョブ型人事制度 背景 ジョブ型制度の普及拡大の実態:導入の狙い 非管理職 労働慣行とのギャップ:労働慣行の違 異動の捉え方 日本企業にマッチするジョブ型制度構築・運用ポイント ジョブ型制度・等級制度:職務等級 職務評価 職務記述書 ジョブ型制度における評価制度:評価制度の位置づけ 行動特性の評価 ジョブ型制度における報酬制度 導入コミュニケーション ジョブ型制度における運用体制・プロセス ジョブ型制度の導入における課題:メンバーシップ型雇用の発想 人事部門の改革2021/04/25

ちょもらんま

1
まさに教科書的な一冊。大変勉強になった。わかってそうでよくわかっていなかったことがよくわかる一冊。 ジョブ型とは、契約であり、人材と会社を繋ぐ最も重要なポイントである。職務、職務価値、職責を明確にし、重みづけを行い、そこに対してふさわしい賃金を設定して、ふさわしい人材をassignする。 これの難しさがよくわかる。だからこそ実施する価値がある。これまでの延長線上ではないグローバル企業に変化するためのエッセンスが詰まっているまさに教科書でした。2024/06/17

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