時代小説文庫<br> 立つ鳥の舞 くらまし屋稼業

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時代小説文庫
立つ鳥の舞 くらまし屋稼業

  • ISBN:9784758443654

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内容説明

「葉月十二日、巳の刻。湯島天神内宮地芝居の舞台に、瀬川菊之丞を連れてきて欲しいのです」――濱村屋の年若い主人・吉次からこう切り出された平九郎は、驚きのあまり絶句した。希代の女形であった菊之丞は、吉次の義父で、五年前すでに亡くなっていた。そして実は、吉次は赤也の義弟であったのだ……。赤也の隠されたもうひとつの人生に渦まく陰謀。平九郎たちが仲間のため命を賭して闘う天下無敵の時代エンターテインメント。三十万部突破の書き下ろし大人気シリーズ、第七弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

339
今のところシリーズ屈指。終盤の斬り合い場面あたりからの流れが最高。虚の九鬼段蔵がついに登場し立ちはだかる、仲間のためならと、人前で躊躇わずに刀を抜く平九朗が恰好良い。そして前作からの伏線で新技発動。赤也の舞台は少し出来すぎではあるものの、高い熱量の筆致で、細かいこと抜きにねじ伏せにくる。七瀬が赤也の過去の関係者に会って交わす会話なども、仲間であり、それ以上にもなりそうな、微妙な含ませ方が上手い。敵側の阿久多にまで花を持たせて描き、タイトルから内容まで、奇跡的なほど上手くまとまった一冊。2022/07/17

しんごろ

294
今作は赤也の過去がわかる赤也スペシャル。赤也のくらまし屋にはいった経緯もわかる。くらまし屋の掟を破っても、それでも許される平九郞と七瀬の絆。掟は破っちゃいけないが、赤也、仲間がいる場所に戻れて良かったね。虚(うつろ)の新たな殺し屋、九鬼段蔵。肉弾戦を得意とする今までにないタイプで不気味だ。そして、道中奉行の篠崎瀬兵衛。役人魂がすごく粋な男だ。虚、炙り屋、公儀隠密、道中奉行の瀬兵衛と、役人、敵が入り乱れて、この先どうなるのか。更には、平九郞の師匠まで…。最新作が待ち遠しい。2021/02/15

海猫

238
くらまし屋稼業シリーズ、1年ぶりの新刊。今回は赤也の過去にかかわる内容で、なぜ彼がくらまし屋になったのか?も描かれ興味深い。毎度趣向が凝っていて面白いシリーズではあるが、今回の依頼も変わっている。平九郎は一旦は断るものの、登場人物はそれぞれに行動、芝居合戦が行われるまでサスペンスフルに陰謀がうごめき、「虚」の一味は暗躍する。終盤には激しい剣戟があって、熱い。今村作品、最近では単行本で出る作品の重厚さにも感心するけど、文庫書き下ろしならではの、軽快さも楽しい。一気読みだったので、次作は早めに読みたいもんだ。2021/02/06

しんたろー

235
7作目は赤也の物語…平九郎との出会いから「くらまし屋」に加わった経緯、哀しい生い立ちも交えて、役者人生を捨てた切ない生き様が描かれて胸が熱くなる。平九郎&七瀬たちの赤也を想う気持ちが「大人の熱さ」で憎い!アクションが少な目なのは残念だったが、それでも平九郎と刺客・九鬼の死闘は今までにない肉弾戦で楽しめた。一番のお気に入りシーンは、終盤の瀬兵衛vs赤也の粋なやり取り…瀬兵衛との今後の関わり方を暗示していて楽しみ。次巻以降で平九郎の師匠が登場しそうだし、惣一郎や炙り屋も再登場しそうなので、今から待ち遠しい♬ 2021/02/14

KAZOO

194
今回は、くらまし屋の中の変装のうまい人物のこれまでのみちのりと歌舞伎対決の舞台での本領を発揮します。いつものとは異なった面で楽しめました。いま読んでいる高田郁さんの「あきない世伝」とかぶる役者も出てきます。主人公も活躍しますがさらに「虚」の中で大男が出てきてこれがものすごく強そうです。こんなに強い人物ばかり出てきて最後はどうなるのでしょうね。2022/12/01

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