内容説明
頭に聞こえてくる死者からの伝言を相手に届けるうちに、「ことづて屋」を名乗るようになった津多恵。 届ける人や言葉はいろいろ。 「ママを守って」と幼い息子に言い遺した父親から、改めて息子へ。 夫から老いた妻へ大事な物の隠し場所を。 熊谷空襲で死んだ親友が70年ごしで明かす秘めた恋心。 そして、来ると約束したのに現れなかった恋人からの言葉。 それは震災後の計画停電の夜で──。 人の気持ちによりそう優しい物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yanae
81
ことづて屋の二作目。今作もよかったです。死者からの伝言を伝える「ことづて屋」。仕事上のパートナー恵介と、今回も怪しまれながらも大切な伝言を伝えていきます。前回のあとがきに、東日本大震災のことがかいてあったけど、今作も震災がベースに。前作よりも津多恵が人間らしさを増していて、恵介との信頼関係も強くなってる気がする。所々でてくる津多恵への情愛(かな?)に心が暖まる。怜さんへの焼きもちにはちょっと笑った(笑)個人的には、小さな騎士と停電の夜が好みでした。次も楽しみ♥️2018/03/19
takaC
81
展開がワンパターンでも物語に進展があれば我慢できるのだけどそれが無いに等しいこれではあまり満足できない。とりあえず続きも読むつもりではあるけど。2017/09/05
ゆみねこ
67
亡き人の声が聞こえ、伝えたい言葉を相手に届ける「ことづて屋」第2弾。熊谷空襲で亡くなった高等女学校時代の友人の言葉を伝える「灯籠流し」、約束したのに現れなかった恋人からの言葉「停電の夜」が特に印象的でした。津多恵と恵介のコンビ、素敵!2017/09/23
ぶんこ
60
シリーズ2巻目に入って、今回は前作よりもキツ目の女性相手の話が多く、ちょっと馴染めませんでした。ただ、津多恵さんの硬さが溶けていっているようで微笑ましい。「すみません」と言ってしまう癖?が治ってきているのもいいですね。恵介さんと怜さんに守られているようで3人の様子も微笑ましい。2017/12/04
はつばあば
58
見ず知らずの人に声をかける勇気・・道を尋ねる事ならできるが、見知らぬ人へ、見知らぬ君(死者)の伝言を伝えるなど相当の勇気がいること。名の如く優しいけれど平凡以下とも思える表情の乏しい津多恵(ツタエ)。その彼女がいつの間にか輝きを放っている。塗り絵と称して彼女にメイクアップを施し道案内へと添う恵介。人はヒトリでは生きていけない。男であれ女であれ寄り添って初めて輝ける。あの世の人の伝言は「幸せであれ」と。あなたのご両親やおじいちゃんおばあちゃんに声かけを。離れて暮らしていれば尚更。☎一本が喜びに繋がります2016/11/05