内容説明
謎の男・多聞に、硯の精たち付喪神が宿る古道具を売ってしまった喜蔵。 帰ってきた小春から硯の精の悲しくも数奇な過去を聞いた喜蔵は、己のふがいなさを痛感する。 二人は付喪神たちを取り戻すべく、「もののけ道」を通って多聞の屋敷に乗り込むことに――。 閻魔顔の若商人と可愛い小鬼が妖怪沙汰を万事解決? シリーズ第二弾完結編!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん🌷柳緑花紅
68
物にも魂が宿る。深い眠りから長い長い年月を経て付喪神と呼ばれるようになる。硯の精のお話は感動物だった。涙が零れた。そして喜蔵がいい。どんどん良くなる。早く帰るぞーうん。お帰りーただいま。やっと言えたね。皆のお陰だね。一人では無かったね。いつもそばにいっぱい居たね。じんわり沁みる人情?妖情?が良い。2014/02/11
はにこ
59
冒頭の硯の精と過去の持ち主の話が切なかった。人間と妖怪を超えた絆にうるっときた。多聞は結局何だったんだろうか?敵なのか見方なのか?喜蔵の頑固さにイライラすることもあったけど話はやや前進。喜蔵が心穏やかに暮らす日は来るのか?また小春はやってくるのだろうか?これからも温かく見守りたい作品だった。2020/09/26
yanae
53
エメルさん「一鬼夜行シリーズ」続編。2作品目。前回は連作短編でしたが、今回は長編。おなじみの喜蔵に小春、付喪神たち。今回は「多聞」というあやしげな人物も登場で、読み応えありでした。妖怪たちとのやり取りだけじゃなく、喜蔵と妹や綾子との人間関係も見もの。不器用な喜蔵を応援したくなる。そして何よりの主役は「硯の精」だな!かっこいい。過去も知れてよかった。このシリーズはまた読みます!2014/04/13
はらぺこ
49
ぎょうさん目がある百目鬼やのに名前が多聞て。ホンマは変な名前か百耳鬼なんやろ! もひとつ多聞の目的が自分には理解出来んかったので、真の目的が有ると信じて続きを読みたい。 硯の精の話も良かったが、前差櫛姫が可愛かったので前差櫛姫の話も読んでみたい。2015/04/06
ゆかーん
43
多聞と親しくなった喜蔵でしたが、彼に古道具を売ったことが失敗でした。古道具の一つである「硯の精」の悲しきエピソードを小春から聞いた喜蔵は、硯を返してもらおうと多聞の屋敷へ乗り込みます!しかし、その行動が誤りでした…。親しかった多聞は、実は「百目鬼」という妖怪の一人。彼の目から繰り出す現実と夢を合体させた幻に、まんまと騙される小春と喜蔵。それと同時に、人々を騙くらかしていた犯人が多聞だったという事が発覚‼︎人間に悪戯したかったのが理由という彼…。沢山に人に迷惑をかけたという事をもう少し自覚してほしいです。2015/07/16