内容説明
終の暮らし、終の家、終の時間―。
わたしひとりどう暮らしどう消えていくのか。
曽野綾子が贈る「最期の時間」の楽しみ方。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そら
75
私のテーマであるいかに無で人生を終えるか?のバイブルとなるようなエッセイ集。老後の暮らし方と家の問題について、参考になることが多々あった。買い物好きな私だが、最近は物をいかに減らしていくか?に重きを置いている。多くのものがあるからこそ、何を選ぶか迷い、空間を狭くし、掃除や整理整頓をする羽目になる。親と旦那さんを自然な形で看とりが出来たことも羨ましい。「一生の中で雨風をしのげる家があり、毎日食べるものに困らなければ人生は成功」なるほど、本当にその通りだと思う。あとは適切な医療を受けられたらと付け足そう。2021/08/25
ひらちゃん
73
自分自身したい事がある。親の面倒などは、片手間でいいと割り切れば感謝されないなどと恨まなくていい。出来るだけ機嫌よく生きる。ものは持たない。終の生き方を考えるには早いのかもしれないが、人間誰しも明日はどうなるか分からない。いつもすっきり暮らせたら、なんて思うこの頃。1人になった時慌てないですむように。先ずは物を減らさねば。2021/03/08
ぶんこ
55
実母、義父母、最後は夫を看取ったという日々を経て、ご自分の「終の暮らし」を実践。押し入れがスカスカで気持ちいい。家中段差は無く、お手洗いの床や壁までもタイルにして、親の粗相の汚れを這いつくばって掃除しなくて済むようにしているとあり、考えるだけではなく、やっていることに衝撃を受けました。それにしても3人の家族を看取った後に「3人の老い方と死に方を身近かdr見られたことは、私にとって最大の『役得』であった」と言い切れるのに感服。この本で 「終」を迎える心構えを教えていただけました。2022/02/14
とよぽん
43
読友さんの感想や本書のタイトルに興味をもち、手に取った。副題の「消えていく」という言葉に少し抵抗を感じたが、内容的にはすっかり感心したというか、感服の至りという思い。子どもの頃から家庭が安住の場ではなかったというが、それが糧となって、後に家庭観や夫婦のありようを形成したのだろう。曽野綾子さんの潔さ、合理的な考えと行動、周囲の人を思いやる包容力などが今後の道しるべのように思えて、私は励まされた。2022/03/17
りー
29
滔々と「消えていく美学」のようなものを語られたらどうしよう?と思いつつ手に取りましたが、日々の呟きを丁寧に拾うようなエッセイ集で、心にすっと沁みました。亡くなった大好きな旦那さんとのエピソード、設計から手がけた古い家の話、新たに家族になった愛しい仔猫の様子…その中で、透徹した自分の死への視点。一つ一つの呟きは声高ではないのに、通して読むとかえって心の底に届くものがあります。今の自分が大切なものだけをしっかり選んでいくのは、とても難しいことだと思うので、自分はどこまでできるかな?と思いました。2021/06/17