内容説明
死を賭して、徳川家康の野望に立ち向かう武士魂! ――文禄2年9月、前田屋敷を訪れた豊臣秀吉のため、利家は能を興行。秀吉、家康の3人で能を披露、見物は大いに湧いた。秀吉の没後、隠然たる勢力を誇示する家康に、対抗できるのは利家のみ。死の床に家康一行を迎えた利家は、密かに暗殺を覚悟するのだが……。眼前に迫る死の闇に、敢然と立ち向かう武士魂を描く、歴史小説!! <全3巻・完結>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はちこう
3
家康と一触即発の状態の利家だが、自身の老いと病に苛まれる。家康が利家を見舞った際、利家は布団の下に太刀を隠していたらしいが、長男利長の不甲斐なさをみて家康殺害を断念したとのこと。利家はこの時、天下に立つ者は家康しかいないと確信し、利長のことだけでなく、おそらく秀頼のことも家康に托したのではないだろうか。しかし、秀吉の後を追うように利家もこの世を去る。歴史にifはないというが、利家が長命だったらその後の歴史はどうなっていたのだろうと妄想せずにはいられない。2022/05/13
東森久利斗
2
前田利家感をあらたにする、織田・豊臣時代のスピンオフ、荒々しく躍動感溢れるバサラ武士の生涯。両ヒーロー伝記では語られることのない史実やエピソード、伝承が豊富、歴史好き読者のウンチク欲求をも満たす。2020/08/16
とっく~。
1
小説と言うよりは名言集とか戦国時代のルールや習慣の解説本のような印象だった。これはこれで勉強になったが、人間ドラマ的なものを期待していたらがっかりすると思う。2019/03/31
うたまる
1
下巻の後半以降は病みついた利家が昔を思い返すという設定で怒涛の如く戦国小話が続く。殺伐とした無常観や武家の処世訓、落語のような人情譚に戦国あるあるなど、著者が集めた史料の大展覧会の様相を来たしていた。正直言って、全巻通して前田利家本人よりもこちらのインパクトの方が勝っている。いくつか印象的なものを挙げると、首実検の作法、夜廻りの方式、遺産分割など。どれもマニアック過ぎて読者よりも学者が喜びそうなものばかりだった。中でも仰天したのは、正月に家臣から御礼銭を徴収していたエピソード。遣るんじゃなくて貰うんかい!2018/09/11
ホームズ
0
1997年10月6日初読
-
- 電子書籍
- noicomi隣のケモノが偏愛したがる…
-
- 電子書籍
- キョウコの摩訶不思議幽戯(分冊版) 【…