講談社文庫<br> 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

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講談社文庫
新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館

  • 著者名:中井英夫【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2021/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062762519

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内容説明

幻視者たちの見た夢……伝説の短編集、復刻! 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館――日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。連作とらんぷ譚1。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

79
トランプ譚の初めを飾る幻想短編の13編。中でも『大望ある乗客』のバスの場面での暗さは少しラヴクラフを彷彿とさせる感じでした。その他『暗闇天女』や『地下街』の最後も切れがある終わり方で印象に残る。2024/01/17

ももっち

75
仄暗い赤い照明の中で、闇と同化するかのように艶めいて、高貴な光沢を湛える黒薔薇のように麗しい本だった。流薔園という精神病院の患者たちによる妖しくも怪奇な幻視。繰り広げられる妄想の世界に足元が揺らぎ、不思議な引力に引き込まれる。端正で知的でありながら至極の美しい文章にゾクゾクするような興奮を覚える。薔薇の根に欲情し、黒闇の天女の制裁を受け、宇宙人に侵略され、迷宮のような目眩の夜を彷徨う。至上の偏愛に悪しき天性。ああ素敵!確かなものがどれだけある?自分の存在を疑え。周りの景色を疑え。正常とは何かを疑え。2017/09/12

とよキチ

74
初めての中井英夫作品。全4巻の第1作。トランプに見立てた13編収録◆『虚無への供物』の肩慣らしのつもりで手に取ったが…。美しい文章で綴られる幻想的な世界観・多様なジャンルのストーリーに、頭の中が混乱し、ついて行くのがやっとって感じだった。突飛な発想力には感服するが、読了後の疲れにも似た脱力感が遥かに上回ってしまった。続きを読んでみたい気持ちもあるが、私にはまだ時期尚早なのかもしれない。2013/02/13

財布にジャック

66
凄い完成度の高い短編集に、ビックリしました。中井さんの作品は「虚無への供物」しか読んだことがなかったのですが、この短編集の方が断然私好みです。映画の「カリガリ博士」や夢野さんの「ドグラマグラ」や皆川さんの「薔薇密室」、そこにちょっとだけ乱歩を足したような読み心地で、とにかく幻想博物館という題名どおりの不思議な世界へいざなわれます。精神病院が舞台の作品は特に、正常と異常の境界線があいまいなので難解ですが、魅力的です。2011/10/24

優希

56
幻想に魅せられた狂人たちの短編集でした。1話ずつは毒しつつも、最後で全てが繋がり世界観が明らかになります。美文で語られる物語に酔いそうでした。推理小説のような空気をまとっているのも面白かったです。どこから読んでも美しい狂気の魅力が詰まっているように感じました。2023/07/05

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