内容説明
コロナVS国家。日本は生き残れるのか。
2019年の暮れ、DASPA(国家防衛安全保障会議)インテリジェンス班サブチェアマンの吉良大介は、ダークウェブの賭博サイトに“2020年 東京オリンピックは開催されるか”という不吉な賭けを発見する。そして、年が明けると同時に、新型コロナウイルスによる感染は急速に拡大し、ついにオリンピックの年内中止が発表され、日本社会は緩やかなロックダウンによる「自粛」生活へと突入する。そんな中、この空気に抗い、あるベテランミュージシャンは、“浅倉マリと愚か者の集い”という大規模ライブを開催しようとする。
ここで大惨事が起きれば、来年のオリンピック開催さえも危ぶまれると判断した吉良はある作戦を思いつく。感染阻止か、経済優先か。「日本をバージョンアップする」が口癖の吉良は、未曾有のコロナ禍にどう立ち向かうのか。『インフォデミック 巡査長 真行寺弘道』とリンクする超リアルエンターテインメント小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
み
17
真行寺さんのインフォデミックを、吉良さんの立場から描いた作品。ふ~ん、ふむふむと楽しみました。が、やはり真行寺さん側の方が好みです。ボビーと吉良家の関係が、ちょい出しで、ますます気になります。あの自粛生活って、何だったんだか?と思う者の、テレワークが日常になり良かったです。そして、新年度から、テレワーク日数の月の上限が規定されることに…、そんなに出社するのツライよ。2024/02/22
おのちん
15
★★★★☆:今回も面白い一冊だった。でも前作の方が好きかも。なし崩しの合意含む議論の最中、一方的に話を打ち切り推しのライブに行く真行寺のマイペースに笑えた。2025/04/20
ダリル
7
DASPAシリーズ②真行寺弘道の「インフォデミック」の吉良サイドストーリー。吉良が官僚なので仕方がないが、コロナ禍での経済、政治説明が長く、ちょっと疲れた。やっぱり真行寺さんの方が好み。2024/07/31
ガブリエル
6
DASPAシリーズ第2弾は、巡査長真行寺弘道シリーズの「インフォデミック」と完全にリンクする吉良サイドの物語。 真行寺と吉良の自由を巡っての口論が見もの。この闘いは真行寺の方に分があるような終わり方をするが、私には彼の理屈どうにも子供染みたものにしか思えないな。吉良サイドの物語は話のスケールが大きく、真行寺が自分の気持ちいいように動いている間に、世界の外交の現場は熾烈だ。そういう中で努力している人がいるからこその自由だと、大人なら分かりそうなものだけどね。 人として私は吉良の方が好きだな。2022/07/27
hiyu
6
VS構造ではないだろうが、本作と対照的なインフォデミック。どちらかというとインフォデミックかな。すんなりいったのは。ただ、どちらをみても情報戦のほか今でも生じている問題構造など興味深かった。2021/03/26