内容説明
黎子は、青春の只中に、恋人・慎之介を事故で失う。誰をも愛する余地なく、既に彼女の心にたった一人、余語だけが住んでいることを自覚する。だが、余語の「幸福とも不幸ともつかぬ日常的現実の中で支えてくれるものは謙虚さであり慎しみである」という処世の美学に殉じ、幸福という不幸の中で生き行くしかないことを覚るのだった。結婚適齢期の女心の襞と翳りを描き、愛とは、結婚とは、その真実を問う力作長編。<上下巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gurisan
1
★★★★★ 愛する家族がいて、仕事もあって、ご飯も食べられて。何を求めて生きるんだろう、そんな思いから離れない。お見合いで出会う男性男性が個性的で面白い。しかし、生活を共にする人を理念で選ぶことのなんと難しいことか。お互い人間だから、尊敬の念さえもっていたら何とかなるのかも。その「尊敬」が難しいのか。2010/12/09
みきぼうず
0
161126~2016/12/01
サクラ
0
いろんな男性の見本市という感じがするが、誰も悪人は登場しないにもかかわらず見合いが成就しない。昔3高(収入、身長、学歴)がはやったことがあったが、これを読むとその前に性格と頭の両方いい人を見つけるのが何と難しいことよ。それに容姿もそこそこ(美男美女ではなく)が加わると・・・ というのがとても実感できた。結婚したくなくなるかも。2012/07/05
置き話
0
買いたい2012/02/05