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内容説明
十九世紀,南北戦争以前のアメリカ南部.気ままに生きる少年ハックルベリー・フィンは,トム・ソーヤーとの冒険のあとで大金を手に入れたものの,未亡人に引き取られてかたくるしい生活を送っていた.そこへ金を目当てに飲んだくれの父親があらわれ,ハックは黒人奴隷のジムとともに,筏でミシシッピ川をくだる冒険の旅に出る.初の少年文庫化.
目次
ハックルベリー・フィンの冒険┴カバー画 丹地陽子┴さし絵 E・W・ケンブル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
51
少女時代に読んだ『トム・ソーヤの冒険』は印象的だったが、その続編ともいうべき本書は未読だった。読み出してハックルベリー・フィンは孤児じゃない!と、大きな勘違いに気づく(遅っ!)。しかし、この身内の父ちゃん、虐待の連続なんですわ。そんな父ちゃんから逃げ出して、逃亡奴隷のジムと一緒に冒険が始まる。まだ南北戦争以前で黒人奴隷が解放されていない時代だから、自由人のハックが逃亡奴隷のジムを通報すべきかどうか悩む場面に驚いた。そんなんエエやん、というのは現代人の感覚だろう。自由州イリノイへジムが辿りつけますように。2023/01/03
mntmt
27
面白いです。ミシシッピ川の夜のシーンが好きです。2018/02/11
シルク
23
「そのうち読まな」と思ってた本。そういう作品が、わたくし結構ある。『アーサー王物語』とか『ロビン・フッド』『宝島』とか。「定番」と言われているが、わたくし的には食指が動きまへん、という類の本。この本は、その最たるものなんす。で、読んでみたけど、やっぱ面白く感じられねぇ。。主人公のハックが、タバコ吸うし酒飲むし、口を開けば嘘が自然と飛び出すわ、彼の育ってきた環境を考えると、そういう風にしかならないものではあったと思いはするものの、どうにも。。とりあえず自分は、この作品で「わくわく」することは出来ない。上巻。2022/03/15
くみ
17
ハックルベリーフィン。「トムの友達」という認識しかありませんでしたが、彼はトムと全く違いました。彼の行動力は冒険心というより必然的なもの。彼の嘘も身を守る機転的なもので、何かを奪う手段ではありません。そして視線がフラットです。黒人奴隷のジムの逃亡を助けるなど、前後の描写から、当時の常識では考えられないことだったのでしょう。いい人たちなのに「習慣で殺し合う」一族たちに対してのハックの気持ちも最後の一言に凝縮されていたと思います。そして詐欺師の登場。どうなるのかハラハラします。2022/07/24
しんすけ
16
奴隷制度はあっても格差とは無縁な時代の物語の香りがする。 本書は小学生を対象にして出版されているが、岩波文庫や光文社古典新訳文庫と同様に原書の翻訳である。 異なるのは五年生以降に覚えるであろう漢字のすべてにルビが降ってあることぐらいだ。 初読は10歳前後、それも翻案ものだった。それでも奴隷制度の不合理のようなものを感じていたが、時代背景は翻訳でなければ解らない。 その意味で岩波少年文庫に翻訳で出版されたのは意義深い。2020/02/21